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※嘘です
VSなんか何にもするつもり無いけど、Max 2 使ってたわたくしがiPhone X買いましたっていう話なので、「iPhone XとMi Max 2で迷っている」という、脳のネジが反対側まで貫通している人ならば参考にもなるかも知れない。

また、6.4インチ級端末を一度使ってしまったモバイラーが罹患する、6.4以上の大画面でないと満足できない不治のこころの病である「ズルトラ病」の患者である自分のレビューであるので、Mi Max2のほうが良いんじゃないかみたいに感じてしまったらおそらくそれは単にあなたがズルトラ病の保菌者でありいつもの発作を起こしているだけか、あるいはズルトラ病の伝染が始まっているのですぐにブラウザを閉じてこんなレビューのことは忘れなさい、いいね?



●iPhone Xとは


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さ、iPhone Xですね。久々の超大型新機軸iPhoneの登場に「エーックス!エーーーックス!」とか喚いてたら近所の主婦の皆様から(何あの人…ベゼルレスOLEDやFaceIDを搭載した11月3日発売の最新iPhoneXは「エックス」ではなく「テン」なのに…きっと64GBでも112,800円(税抜き)に及ぶ価格にビビってAppleストアのショッピングローンが金利0%ということで購入申し込んだのに審査落ちしたせいで精神がやられてしまったのね…)とヒソヒソと白い目を向けられるアレ。

人聞きの悪いことを言われているがちゃんと審査にとおって一ヶ月後に手に入りましたよ。ローンで買うと審査に落ちることはないまでも、審査が存在する以上「当日枠は6分間」とまで言われた熾烈な争奪戦サバイバルにドン勝つできるわけがない。おかげで発売日入手はハナからあきらめた。


●ディスプレイが強すぎる(両者)


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いやまあなによりまずディスプレイを見てほしいというかこんにちわ!まいりました!て勢いなのでもうたまりません。
この、一昔前なら「まーたどっかの野良CGデザイナーが「ぼくのかんがえたりそうの新型iPhone」のCG作ってる…」と思われたに違いないであろう嘘のような「全部画面!」っぷり。嘘CGを指をくわえてみていた我々はとうとうそれを現実に手にしたのだ。
Galaxy S8やXiaomi Mi MixやEssential Phoneなどに比べるとiPhone X のベゼル自体は実は決して細くないのだが、切り欠きを除き「上と横はもちろん、下も等間隔」というのが強烈に印象に残る。

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いや実際のところX以降本格的に雨後の竹の子のように出て来たDOOGEEやUMIやVerneeなどのベゼルレススマホはもちろんシャープが結構早くから出していたアレと最近また出したコレも全てにおいて言えることなのだが、世の中のベゼルレスに欠落してiPhone Xだけが持っているのはこの「下辺のベゼルレス」だ。
実用を考えなくていい嘘CGデザイナーならともかく、実際に使用される端末である従来のベゼルレス機はどうしても「持ち手」「非タッチパネル領域」として下側に余白を残す必要があるのかもしれない。一方でタッチパネルのノイズ制御にダントツに秀でたiPhoneの「どこ掴んでもタッチパネルに触っちゃう」事態を恐れない姿勢がこれを実現したのだろう。

裏事情はどうあれ、いま本当にクールなベゼルレスとは上と左右の三辺のベゼルの過剰な細さを競うことでなく、むしろ持ち手側の一辺をベゼルレスにするだけでいいのだとまだApple以外は、サムスンやアンディ・ルービンですら!気付いていないといえる。
下手すりゃ「切り欠き」など無くても、下のフチをそのまま上側に持ってくるだけでいっぺんに垢抜けたクールデザインになる可能性すらある。


ただ、これらはあくまで画面占有率の問題であるのは言うまでも無い。画面の絶対的なサイズとなると、私の懐刀、Xiaomi Mi Max2がガタガタと振るえて憤怒のうなりを上げるのである(着信)

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物量の差

もうこれだけで全部何となく察して頂きたいが、ぶっちゃけ小さいんですよiPhone X。「5.8インチ」のスマホとなると大型ファブレットサイズだが、実態は5インチ未満級の中~小型スマホのワクが全部ディスプレイになりましたというアイテムなので、コンパクトなの。
だいたい4.7インチなんていう小さいディスプレイ(かつ、ある程度の高性能)なスマホ自体もうiPhoneくらいしかないという時代。6 Plus以降5.5インチファブレットに身を置き6.4インチまで肥大化してきた身には、5インチ以下サイズというのはもはや子どもサイズの服を着ろと言われるに等しい。そういったプレイはいたしておりません。

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ただ、これはあくまでディスプレイパワーだけを見た話である。なんだその単語は。いまつくりました。端末全体としてみた場合、iPhone XのサイズはPlusよりもずっと自然で無印よりも窮屈さがない。非常にスマートで文化的なサイズで取り回しもすこぶる良い。

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こう並べるとiPhone Xが小さいんではなくMi Max2とかいうデカブツが粗大に過ぎるのである。Z Ultraはじめとして6.4インチの電話なんていうあたまのおかしいサイズの物体を当然のように使っているからこんな錯覚をしてしまったのだ。今日までポケットに入ってたのが不思議なくらいだ。
何が頭おかしいかってこいつNintendo Switchより画面でかいんですよ。いくら持ち歩きもできるSwitchとはいえ電話のサイズじゃない。
しかしSwitchに近い画面サイズと言うことは…

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これだもんなあ。この6.4オーバーの液晶でゲームを写したときの迫力たるやスマホにおいて比類無しと言って良い。アズールレーンみたいなゲームで迫力もクソも無いのだが。
なによりこれはiPhoneが悪いわけでは無いが、アプリが対応していない場合上下(この場合左右)に盛大に黒枠ができ、結局iPhone 8 無印と大きさは肉薄してしまって迫力に欠ける。

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話題のe-SportもXに対応した後はぐっと迫力が増した。もうちょっと視覚的に良い例は無かったのか。

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解像度は黒枠部分を除いても当然iPhone Xが勝っている(2436x1125 VS 1920x1080)が、ここだけの話iPhone Xはペンタイル(ダイヤモンドペンタイル)配列なため、実解像度はFHDを下回るんじゃなかろうか?

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何よりMi Max2の卓越した点は大画面Androidの画面分割機能で、こうしたマルチタスクゲーミングが可能になる点である。この手のソシャゲは「バックグラウンドに出来ない待ち時間」も多いからね。

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Wikiと見比べるなども可能だ。iPhone Xの大きさでこれをやるのは厳しめかも知れないとは言え、そろそろiPhoneも公式にスプリット機能があっても良いと思う。

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なお後で見たらアズールレーンも微妙にX対応アプデをしていて、横の空間にはなんとなく青いグラデーションが表示されるようになった。なんだその4:3で作ってた頃のCMを16:9の地デジ時代でも使うための間に合わせみたいな対応は。タケモトピアノじゃねえんだよ。UI表示位置をそのままにしてもうちょっと広い空間表示した方がカッコイイと思うけど、元の素材にそれくらいのマージンがないと難しかろうね。

●CPUもカメラも何もかもが格が違う


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ディスプレイパワー(造語)以外を見ると、まあ当たり前なんだけど比べるのがただひたすらに可哀想になるくらい格の桁が違います。まず当然ながらCPUのA11 Bionicはミドルローのsnapdragon625ではもったりまったりしているアズレンのUI遷移も鬼のような速度で切り替わるし、Minecraftの動作も60fps張り付きという感じで、現状モバイルにおける最高峰の性能と言える。

閑話ながら、Mi Pad2をAndroidとのデュアルブート化してみたら、Atom x5-Z8500ってSnapdragonの8シリーズよりちょっと劣るくらいの数字らしく、実際ゲームをプレイしても625よりは多少マシか劣る程度の動きだった。x86とは。実際Snapdragon使って仮想化でWindows10動かすマシンも出てきてるので、とうとうこういう時代になってしまった感がある。

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カメラ。ドチャクソ最高ですね。これもスマホカメラの頂点の一つ。
Huaweiとかの高いのを除いて中国スマホに共通して良くない点はカメラである。というかまあ他もそれなりには良いと言うくらいでiPhoneがスゴすぎる。
動画も4K60pなどというそこらのビデオカメラでも乗っかっていないような仕様を平気で撮影するのだからたまらない。
話題のデュアルレンズ機を初めて使った。つまり広角と望遠の2種類積んでいるというだけで、2つを両方同時に活用してどうこう、といった仕組みは一部しかないようだ。
どちらも画質や速度に申し分はないが、望遠側がいいですね。すごくいい。スマホの撮影というのは実はポートレート的な用途も多く、(35mm換算)28mmだとちょっと広角すぎると感じるときも多い。望遠側は二倍望遠として換算57mm程度とのことだが、これがまたスマホカメラの28~35mm画角に慣れていると「おっ」と思うくらい迫力があって良い。
というかわざわざカメラ増やしてやることが望遠を付けるだけなら、2xなどとケチなことを言わずに3x~4x、85mm~105mmくらいの中望遠でバリバリのポートレート向けにしてしまえば良いと思った。そういうスマホはないのだろうか。巨大なセンサーやレンズもいいが、スマホに求められるカメラ性能を考えると良いアイデアだと思うのだが。

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認証について。
FaceID、すばらしくちゃんと動作します。眼鏡、暗闇、マフラー問題なし、反応速度爆速、申し分なし。
ただ、Xiaomiの指紋センサも大変に爆速かつ正確で素晴らしいことはアピールせずには居られない。指紋センサーとしての出来はTouchIDに引けを取ってないと思う。
ハードウェア性能として優れているのは確かでも、FaceIDは顔認証であるため顔と端末を正対させる必要があるという一点で使い勝手を削がれることが多いのは否定できない。

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そしてFaceIDを認識してから画面をスライドさせる必要があるのがちょっとしたストレスだ。
FaceID認証自体は一瞬で終わるが、iOSには「持ち上げたらとりあえず画面オン」の機能が付いているのだから、なんなら「顔を出したらもうホーム画面」であってほしい。
それに比べるとXiaomiのセンサーはポケットから取り出すときに指を添えておくだけで、顔の前に来たときは既にホーム画面だ。正直体感的な速さはMi Max2に軍配が上がる。

●Appleの手の平の上


と、iPhone Xは良いんだけどMaxも良いなあと言う結論で終わりそうなかんじになったが、ここできちんとiPhone X最高じゃないですか!!!?????論を展開して締めたい。

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最高なのはここです。この切り欠いてない部分の視覚インパクトったら最高だと思いませんか!
ベゼルやソフト的に見えないのではなく実際にディスプレイがこの変形形状だというの、画面マニアのフェティシズムを直撃してくるのである。Android Wearの円形画面に心ときめいた人間ならわかるはずだ。このエモさが、エロさが。この空間にちょこんと表示されるインジケータや、スワイプ時に左右で違う動作なども「装飾ではない」感を発していてたまらなくたまらない。

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まあ、このようなディスプレイフェチを除いて一般的に「切り欠き」についての感想は若干ネガティブ寄りだ。この分だけ画面が狭いように見えるのだから当然だろう。

しかし、「FaceIDを仕込むためにしょうがなかった」と言われるこの切り欠きについてはわたくしは全く別の説を唱えたいのだ。長年信者をやっていれば分かる、真実を語りましょう。
これは「Appleが意図的にやっている製品アイコンとしての秀逸な表現」だと信者的には看破します。以上。

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まあ落ち着いて聞け、良いか、実際この切り欠きが存在感を強烈に印象づけるからこそみんな切り欠きにぶーぶー言うわけだろ。炎上商法じゃないけど真四角だったら誰も話題にしなかったろここ。
Appleのデザインに対して「シンプルで美しい完全なデザインを指向するAppleがなぜこんな切り欠きや出っ張りを!」というのは、シンプルで美しい完全なデザインを指向しているというのが勘違いだから。実際シンプルと美しさはあるんだけど、完全を目指しては実はいない、ということ。

むしろAppleの指向はこういう「デザインのスキ」に見えるチャームポイントにあると思っている。普通の製品なら機能やコストの兼ね合いで生じるような「スキ」を、おそらく彼らはかなりの部分で意図的にやっている。カメラの出っ張りも、iPhone Xでは直角の出っ張りとして仕立てていてむしろ視覚、触覚的には目立たせようとしているほど。
それは美学や理念と言うよりは商売のためで、ウケると分かっているデザインをウケるとわかるように出してウケさせてすらいる一方で、批判の余地に見えるところすら心を掴む罠として「デザイン」された「完璧」な製品デザインなのだ。というか製品のデザインとはそういうことだ。格好良く見えれば良いなんてのは下の下である。
この完全無欠な計算の元に、我々は「ジョブズがいたら切り欠きや出っ張りなんか無かった~」などという、冷静に考えたら最後までiMacから巨大な「アゴ」を取り除こうとしなかった最高責任者に関する真っ赤なフェイクニュースを、むしろAppleの側から積極的に刷り込まれ、唱えさせられ続けているのだ。完璧な製品のためにではない。全てはAppleから目を逸らさせないために。

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似た事が全面画面化の代償として無くなったホームボタン及び操作の変化にも言える。iPhone Xではホームボタンの代わりに、この画面下部のバーをスワイプしたり左右にフリックしたりしてそれを補う。
いや、「補う」などという生やさしいものではない。この操作感は、ホームボタンをかちかちと押していた(後期ではそう感じるだけだが)この10年が一度に消し飛ぶほど「自然」で「スマート」で「快適」なレベルを実現している。
タッチパネル式ホームボタンというのはAndroidでは一般的だが、あくまでそこの領域を「押せ」ば動くというボタンの代替に過ぎなかった。だがなるほどタッチパネルを「押す」時に指を「置く」との区別は存在しないが、上フリックならばそれが存在する。そこに精確な追従性と巧みなUIアニメーションを加えることで完全に脳味噌はリッチな触覚フィードバックを錯覚して「押した」と同様の感覚を得られる。
「ホームボタン代替」ならさいきん影が薄くなっている3DTouchで仮想ボタンを「押させる」のが最適解のはずだが、上フリックはそちらよりも快適で自然だと言わざるを得ない。
かつ左右フリックによるアプリスイッチなどはボタンが過去の遺物に思えるほど。とにもかくにも感覚的に自然な動作過ぎて、数十秒で指のシナプスは「iPhone Xの操作」を刻み込まれ、Mi Max2でも同じ事をやってしまう始末。

「iPhoneはホームボタンあるのが良いよね!」勢がこの仕組みに対して想定していた筋書きは「ホームボタンの"代わりに"タッチパネルでなんとかしようと小細工した結果www」だったが、実際はなんなくクリアどころか次の次元に到達している。これは上手くフォローしたとかそういうレベルではない。計算され尽くした「進化」だ

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ここでさっきの話に戻る。つまり「ホームボタン」もそもそも、「切り欠き」「アゴ」と同じデザインの完璧さを削いでアイキャッチ性を重視した「スキ」だったのではないか?ということだ
全面液晶でなくとも最初からホームボタンなんて要らなかった、むしろイヤホンの穴なんぞより邪魔なもの筆頭だったのでは?という恐ろしい想像である。

事実「サイドボタン」となった画面ロックボタンの操作性といい、ホームボタン亡きiPhone Xの操作性は全面的に見直されているが、変更点を覚える必要はあっても、いざやってみて「不自然」と感じる部分はほとんど無かった。前倒しで登場したとすら噂されるiPhone Xのため突貫工事で実装されたUI体系ではあり得ない。イヤホンジャックの廃止は「市場の商品が出そろうまで我慢して」という投げっぱなし性を感じなくもないが、ホームボタンの廃止は「慣れるまで我慢して」というレベルでは全くない。普通のiPhoneシリーズもすぐにこうするべきだとすら思える完成度。

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つまりホームボタンの「進化」は既にかなり前から完成していたのだと想像するしかない。タッチパネル操作に皆が慣れない最初期はともかく、iPhoneのホームボタンは「デザイン上のチャームポイントとして敢えてボタンを残しておいてやったが、無くそうと思えばいつでも無くしてさらに快適な操作を提供できる準備があった。その時が来ただけ。」という良いよね勢をあざ笑うかのような悪魔的なシナリオが描かれていたのではないだろうか。

iPhone Xいいよね話のつもりが変な話になってきたのでこの辺で筆を置こう。

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結局の所、「iPhone X最高だけどMi Max2もすげえんだな」という結論になった。巨大なディスプレイは正義である。なんだかんだでiPhone X購入から数週間経っても一部用途には未だにMax2を使っている自分が居る。
こうなってくると本格的に自分が求める理想の端末は来年の登場が噂される「iPhone X 型のPlus版」になりそうだ。来年のモデルは名前がiPhone イレブンという順当な名前か、X-2などというファイナル的なファンタジーになるのかは知らないが、噂ではPlus版が登場しファブレット筐体サイズに全面ディスプレイを搭載して6.5インチ到達が噂される。言うまでも無く縦長なのでMax2の大きさを凌駕することにはならないだろうが、大画面への期待は膨らんでくる。
まあつまり、せっかく片手操作可能な常識的なサイズになったのに、結局世の中のディスプレイ肥大化の波は止まらないと思うんである。大画面は正義だ。