アクセサリを買ったりDIYしてみる。

さて、Z Canvasのアクセサリ界隈は、頼りになるミヤビックスが保護フィルムや革ケースを出してはくれたものの、それ以外の動きははっきり言ってゼロに近い状態。
話題のガジェットではあるはずだが、やはり値段や用途を考えると厳しく、マスに訴求しないもののアクセサリは選択肢が減るものだ。
本稿でも、「Z Canvas専用」品などは気づけば一つも買っていない。流用、応用、DIYでVaio Z Canvasを自分色に染め上げてみた記録である。


●保護ガラス

一番困っていた保護ガラス。ほしがっているだけで困ってはいねえよ。
保護フィルムはオプションで、純正の工場貼って出し品が装着されているのだが、何度か言っているようにこの純正フィルム、ハーフグレアで寸法がぴったりなのは良いが指紋がベッタベタに目立つ上にペンの滑りも(特に高摩擦ペン先との)相性が悪い。保護ガラスや特殊フィルムが全盛の現代保護フィルム業界においては、本体が届いてから操作に慣れてほしいアクセサリを選定し、そのアクセサリが届くまでの繋ぎにしかならないレベルのものである。

とはいえ、それはiPhoneだのNexusだのSurfaceだの各種有名ガジェットにおける"現代"である。Z Canvasについては保護フィルムの選択肢自体、前述のミヤビックスのオーバーレイシリーズと、いくつかのノーブランド品しか見当たらない。
ノートパソコンや大型タブレットの場合、液晶サイズがある程度各社で違いがないことや、電話と違って前面にスピーカー等が無いことを利用して他製品用のフィルムを流用したりできる。しかしZ Canvasの12.3インチで、16:9でも4:3ですらない3:2液晶をもつPCなどというのは今のところこいつとSurfaceだけだ。Surface Pro3用のものはほんの一回りほど小さく、枠部分がはみ出しすぎる。それでも使えることは使えるが、Surface純正の保護ガラスは5000円以上とかなり値が張り、まあSurfaceオーナーの時には買ったけど他社製のものにそこまでのご祝儀価格は出せない。大判の保護フィルムを自分で切って貼るなどの手法もあるが、ガラス製フィルムではそのような製品はなく、きれいに分割できる自信もない。

という状態が発売から長らく続いてきたが、この度ようやく救世主が登場した。それは



…はい、保護ガラスが登場したわけじゃないです。「12インチで3:2」界唯一のライバルにして保護ガラスなどもホイホイ登場するくらいガジェット界ではキャッチーな存在、Surface Proの新型が発売されたのですね。というわけで流用です。

GLASS PRO+ Premium Tempered Glass Screen Protection for Surface Pro 4 / ガラス 保護 フィルム 9H 10P05Dec15
GLASS PRO+ Premium Tempered Glass Screen Protection for Surface Pro 4 / ガラス 保護 フィルム 9H 10P05Dec15

Pro3の時は純正品の存在があったせいか、やけにサードパーティの動きが鈍かった。今回はSurface Pro3の頃から比べて格安ガラスフィルムが速攻で登場してきており、今回はVis-a-Visで仕入れているGlassProシリーズを1980円で購入。なぜ下手なiPhoneガラスフィルムより安いんだ…?
ミヤビックスはいまだオーバーレイシリーズでガラス製品というオプションを開発することに二の足を踏んでいるが、ちゃっかりとノーブランド仕入れ品としてこういう保護ガラス製品を売ったりしている。10年以上ミヤビックス製品にお世話になっている身としては、時代に取り残されるよりもその一歩を踏み出してくれることを切に望んでいるのだが。

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簡素なパッケ。
ノーブランドといえどもミヤビックスの仕入れであるからして、頭のおかしいレベルの欠陥品を掴まされることはあるまいと想定した。実際他には1200円くらいのガラス製かすら疑わしい保護フィルムが売っていたりした。
ミヤビックスへの期待はそれはそれとして、ガラス製保護フィルムという業界もかつての保護フィルム業界開拓の頃と比べものにならない速度でコモディティ化と安価大量生産化が進行しており、だいたいどれ買っても大差ないという状態である。この製品もまったく通常通り、薄手のガラスにフッ素コートの撥油加工で指紋も付きにくく丈夫な

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ア゛ア゛ーーー!!

どこの運送屋もだが、営業所によってはホント信用ならねーので、簡素なパッケージの安物保護ガラスを買うときは注意するべし。
販売元に連絡してすぐ代替品を送ってもらいました。ミヤビックスであるからサポート万全と想定してたらやはり万全であった。

どこまで話したっけ、そうコモディティ。意味はよくわかっていない。何買っても一緒って意味です。やはりよくわかっていない。


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とりあえず貼ってみると、想定より少々小さめである。画面はカバーするが端部はけっこう丸出しになる。
液晶インチ数こそ12.3インチと同サイズになったものの、Pro4の筐体寸法はPro3からほとんど変化が無い。つまり端部が縮まっただけで、保護ガラスの大きさも大して変わらないと言うことになる。

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Windowsマークボタンをどうするかがポイントになる。死ぬほど効きが悪いのでカバーするのが不安ならズラして露出させても良いが、どっちにしろ変わらないのできちんと覆うのもあり。
ただしWindowsマークを完全に覆い隠そうとして、キーボード充電端子に干渉することには注意を払う必要がある。単純にガラス分の厚みが増えることでキーボードが充電不可能になることはないと確かめてはあるが、端子自体を覆ってしまうと当然ながら充電できなくなる。

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またカメラや照度センサーはガラス端部さえ避ければ特段の影響は無いと思う。使い始めて3ヶ月が経とうとしているのに未だにZ Canvasのマイクというのがどこに設置されているのか理解していないのだが、純正保護フィルムが覆っている部分は覆っても平気だろう。

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というわけでがんばってまっすぐ貼ったけど、これほどちんちくりんならナナメってるくらいどうでも良い気がしてきた
実際のところモニタ部だけ覆えればよいくらいの想定で使うべきだろう。

さて使ってみると、まず視界がクリアだ。指紋が付きやすいどころか固着して取れない純正フィルムと違って指紋フリー、グレアのくっきり感、ガラスの透明感は格別である。
指触りも当然のことながら非常に良い。滑りや感触はもちろんのこと、触感フェチとしては、ようやくZ Canvasの剛性に見合う強靱さが液晶面からも感じ取れるようになってゾクゾクと悦楽が背筋を抜けるといったところである。キモッ

反射はキツくなったが、元のハーフグレアも反射はそれなりにあるほうで、向きや角度を変えたりしていたため実使用で気になることは少ないと思う。外で描くとか言う変態の皆さんは例外として。

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気になるペンの使い勝手についてだが、とりあえずガラスがあることで動作しないとか感圧や検知に影響があるという感触は無かった。Surfaceが同様のものを使えているし、N-trigの仕組み上影響が起ることは考えにくい。

ただしやはり「ペン先と実際のインク位置」にガラス一枚隔てた感はある。ガラス一枚隔てているのだから何を今更という感じだが。
圧力の感じについて、Surfaceはペンを押しつけると液晶が少しにじんだりしたが、保護ガラスで改善されていた。Z Canvasは何も貼らずともガチガチに受け止めてくれていたが、それが保護ガラスを乗せることで更に一体感が増した感じがある。

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ペンの滑りは滑りすぎるようになった。フッ素コートのガラスを硬質プラスチックでなぞって摩擦などあるわけもない。
ここで活躍するのが純正保護フィルムとでは相性が最悪だった、軟質プラを使った高摩擦タイプのペン先である。ガラス相手でもそれなりに摩擦感が向上した。ただ、ガラスとハードのほぼ無摩擦仕様もこれはこれで筆圧の高い自分には向いているのかも知れない。慣れですよ慣れ

ちなみに長らく替え芯が無いことで問題となっていたVAIOのN-trigペンであるが、このほど7月にブライトンネットから替え芯の単体販売が開始されていた模様。ソフトタイプとハードタイプ(それぞれ高摩擦版と低摩擦版に相当?)で3本入り1500円くらい。


ブライトンネットに不満があるわけでは無いが、純正はねえのかよ感がスゴイ。ペンごと買い換えろと言うことか。

総合して、端部が丸出しになることを除けば大変満足した。できればちゃんと対応する保護ガラスをどこか出して欲しいと切に願っているのだが。端部丸出しになって保護ガラスの意味があるのかどうかはかなり怪しいところである。ただ、ペンや指がガシガシあたるのはやはりモニター部分なので、そこがガラス化されて安心感は増した。

ここまで描いてきて今更言うまでも無いが、「こんなちんちくりんなの買うよりガラスが良いなら保護フィルム剥がして裸で使えよ」と貴様らが一度言う度に、人質の指を左足から巡に1本づつ切り落としていく。それが本当ならば足どころか右手の指まで既に無い状態なのは言うまでも無い。


●キーボードを保護する

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保護シェルも兼ねるキーボードだが、アルミ筐体は傷つきやすそうで気が気でない。Surface Pro 3の時に培った技術を使って、Amazon等で売っているカーボンシールを貼ってみる。

細 かいことを言えばカーボン「調」シールだしそもそも本物だとしてもシルバーカーボンはカーボンでなくグラスファイバーでは無いのか、などの声をスルーして 適切にカット。安いのでは150x30cmの1ロールが1,000円しなかったりして、お手元に1枚置いておくべき品である。

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ゴム脚の部分は、くりぬくような繊細な真似が出来るほどの実力がないので切り欠いてしまう。また、4隅のRはかなりいい加減な目分量で切った。R角度は意外といい加減でもそれっぽく見えるものだ。
張るときは液晶保護フィルムを参考に、裏紙にそっと刃を通して分割し、位置合わせしやすいようにしたい。

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思ったよりきれいに貼れた。カーボンシールは若干の伸び縮みがあるため、軽くドライヤーで熱して伸ばしてもいい。
VAIOロゴは隠れてしまうが、この上から東亜重工でもNERVでも好きなロゴシールを貼れば良いのではないだろうか(そういう問題じゃない)。本体直貼りよりは気楽だし剥がすのも楽だ。
キーボードカバーは本体に脱着するときに向きがかなりわかりにくいため、ロゴシールなどを隅に寄せて貼ることで判別するようにするのは、ひけらかし意外にもお勧めできる。

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なおこの充電インジケータ部分はギリギリまで切り欠こうと思って大きめに切っていたが、このシートはそのまま張ってもMacの筐体よろしく透過発光することが判明したためそのままにした。先に気付けばもうちょっときれいに出来たのになあ。





次に内側の黒いパームレスト部分も、手垢や汚れやスレが目立ちそうで気が気でない。iPad Miniのケースに貼った時に培った技術を使って、楽天などで売っているアルカンタラ生地を貼ってみる。

細 かいことを言えばものは同じでもエクセーヌだし、これはまあアウトレットとは言え本物なのだがPCに貼るもんじゃ無いだろ、などの声をスルーして適切に カット。135x100cm程度で4,000円程度したりして結構値が張るが、お手元に1枚置いておくとちょっとうれしい品である。
タッチパッド部は大きいので切り抜くが、流石に切れ込みは入れた。4隅のRは以下省略。張るのは両面テープである。端部は漏らさず、中央部も転々と。

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思ったよりきれいに貼れた。スエードはかなり伸び縮みがあり(当たり前だが)ゆっくり丁寧に貼るようにしたい。好みによっては本革やカーフなどを貼り付けてもオシャレだと思う。
エクセーヌ/ウルトラスエード/アルカンタラはスエード質感でありながら蒸れたり熱を持ったりすることにはめっぽう強く、いつまでも心地よくサラサラを維持してくれるのでタイピングにももってこいだと思う。べったりと手のひらをパームレストに置いてタイピングできる。

なお、割と分厚いアルカンタラを貼っても、こちら側だけであれば本体との着脱や充電には一切支障は無い。若干ナナメるけど。
保護ガラスをそれに加えた今回でも、充電が阻害されることは無かった。ギリギリ感はあるが。


東レ エクセーヌ(アルカンターラ)人工皮革 スエード生地【ライトグレー】
東レ エクセーヌ(アルカンターラ)人工皮革 スエード生地【ライトグレー】


次は本体の裏側にもどうにか保護を施したいが、形状が複雑なこちらはあまり手を出さない方が良いかも知れない。速くサードパーティの保護製品が出てくれれば良いのだけど、たぶんでないな。

クリスタにしろフォトショにしろ最近のお絵かきソフトにはたいてい画面回転機能が付いているが、Z Canvasを完全に寝かせて描いていると本体ごと角度を変えたいときが出てくる。そのままゴリッと回してしまうとあまり本体によろしくなさそうなので保護が欲しいが、大判を切り貼りするしか無いのだろうか。


ACアダプタ M4047

さいごにACアダプタを調達してみる。専用端子のSurfaceでは大変苦労したが、Z Canvasは他のVAIOと共通のアダプタを使うため、調達はたやすい。(単に純正を定価で買うのが嫌なせいだが)

まずVAIO株式会社となったため、SONYのACアダプタVGP-AC19V77が、VJ8AC19V77と改名されて付属している。実際は機能も性能も同一だが、保証まではされていないと思うので、自己責任。



このように「純正」を謳うバルク品が3,000円ほど。本物かどうかはこの際問わない方向性でいきたい。言うまでも無く普通に使えるだろう。
だがVAIOほどポピュラーなものならば、単なる純正の代替だけの製品でないものもある。こういうものを買ってみた。

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トップランドのM4047 汎用ACアダプタ。特筆すべきはACアダプタにUSB給電ポートが3つもついていること。
80WあるのでZ Canvasの充電には不足ない。電圧はコネクタにより自動で調整されるようだ。


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大量の互換コネクタ。持ち歩きまではしないだろうが、PCを別ブランドにしても大丈夫という安心感は高い。
あと光る。はっきり言ってかなり眩しい。マジック塗りつぶしを即断する。

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Z Canvas とiPhoneを繋ぐと、問題なく充電された。2ポートは2.1A、1ポートは1.0A、最大3A出力とのことなので、iPad等の充電も可能だ。(なんで3A上限なのに、1Aポートじゃなく2Aポートが二つ付いてるんだろう…)

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ただしコネクタは少々出っ張る。保持力も純正と比べると弱め。大した事では無いが。
アダプタのコイル鳴きなどは、暫く使った限りでは聞こえなかった。発熱はやはり純正65Wより穏やかであり、Z Canvasの消費電力は付属ACアダプタの限界近いという事だと思われる。

また、純正65Wと比べると、流石に体積・重量はそれなりに肥大化する。持ち運びと言うよりは、会社など出先の据え置きに適していると思う。自宅用をこちらにするという手もあるだろう。





SurfaceやiPadと比べてしまうとアクセサリの幅が狭いZ Canvasだが、ああいった洗練された雰囲気を持つマシンと違い、若干イモっぽい感じのするZ Canvasの格好良さにはこういう流用やDIYがむしろ似合うと思う。気兼ねなくぶん回せる道具に近づいた感じがする。外したり剥がせば元に戻るし。

ますますパワーアップしたPro4の発売などで「あっち買ったほうが良いんじゃ無いかな」感が増し肩身が狭くなっているが、それでも遠く及ばない圧倒的パワーとこのような泥臭いDIYを活かしまだまだ使い込んでいきたい所存。


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こういうケースちょっと欲しいけど持て余すのわかりきってるから買えない。



というわけで今はこのような(これではないけど)リヒトラブのバッグインタイプのバッグに収めて鞄に放り込む形に。あまり外で振り回さない場合、マウスとかACも入れられて良い感じです。