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唐突だがiPhoneのAndroidに対する最大のアドバンテージの一つはこの3ボタン式リモコンマイクにあると思っている。えらい微妙なところを攻めてきた。まあ聞け、黙って聞け。自慢げにBluetoothリモコンみたいなキワモノなど取り出さず聞くんだ。
そもそもAndroid端末は、iTunesの申し子であるiOSと比べると圧倒的絶望的に音楽リスナーに優しくない。断言してしまって良い。
それでも仏の顔も三度まで、多少のことは目をつぶることにして見ていくとしても、まずiTunesと接続同期するために有料アプリ(iSyncr)が必要である。ドラッグ&ドロップ管理とかいう紀元前の遺跡探報をする気は無いので無視する。
だがこれはそもそもAndroidと言うよりはApple側の対応が要求されるという至極真っ当な理由があり、仏の顔を1度使う。
次に音楽アプリがクソ揃いで、標準も無料も有料も人気アプリを一通りつかってみるもどれもこれも実用性から乖離している現状。PowerAmpが良いとかどの次元の話かわからぬ。どこ押せばいいのか教えてくれ。まあこれも自由度とのトレードオフで仏フェイスがもう1つ使用される。
そこへきて前述の3ボタンリモコンマイクが使えないという現実。もちろん1ボタンタイプのものは使えるのだが、ボリューム操作が肝要なのだ。
かくしてAndroidの音楽ライフに対する怒りは3つめで有頂天に達し頭がおかしくなって死ぬ。何が仏の顔も3度までだこちとら人間様だ3つも許してられるかと容赦なく憤怒をまき散らし、iSyncrが有料なのもPowerAmpがクソ使いづらいのも絶対に許せない、もう金輪際Androidスマホに音楽など求めるものかという気分になる。理不尽な話だ。

殊にZ Ultraのような図体のでかい電話だとポケットの中の本体ボリュームをいじるのも一苦労であるため、ますますもって使いづらさが高まる。カスタムファームによってはボリューム長押しで曲移動とかわけのわからない機能をつけたりもできるが、逆に余計に危なっかしい。
Android用で「ボリューム調整可能」を謳うリモコンマイクも売ってはいるものの、何のことはないイヤホンに抵抗とスライドスイッチが入っているという、アナログ極まりない方法で音量を絞るだけだ。昭和のウォークマンか何かか。このように安っぽい抵抗を付けられると音質がどうの、と文句を言うつもりまではないのだけどなんかもう生理的にキモい。
WalkmanもいまやAndroidOSで動くものが少なくないが、専用機は流石にハードスイッチや本体サイズの利点があるためここまでストレスフルな音楽ライフにはならないだろうが、こちらはスマホの一台で完結することを重要視しているのだ。なおXperiaのWalkmanアプリはこれまたどうしようも無いほど使いやすさと無縁だった。


というわけですばらしきiPhone、iOSの4極3ボタン式リモコンマイク!Yes Steve!No Larry!褒め称えるのは良いが、リモコンマイクがすばらしいからと言って純正イヤホンEarPodの場合、音質まですばらしいわけでは無い。いや悪くはないけど。
それでもさすがは音楽の友iOS、リモコンマイク付きで音質を求めてもそれなりに選択肢はあるのが美点、というより最近のハイエンドイヤホンはミーハーなメーカーでなくともiOS用リモコンを付けるのが半ば義務化しているかのような状態であるため、それなりというよりかなり選択肢は幅広い。

iPhoneユーザ必見!iPhoneで使えるおすすめイヤホン10選【e☆イヤホン】:
http://www.e-earphone.jp/iphone-earphone

ここでさあーK3003i買うかーみたいなことを真っ赤な嘘でも良いからさらっと付ければ俺もいっぱしのネット芸人になり得るのだが、おとなしくXBA-C10IPが関の山。いやそれすら今の僕に余裕は無いのだ。SHE9700くらいしかイヤホン資産が無い。それにこの先リモコン付きしか選択肢が無いというのもそれはそれでイヤだ。わがままだな。

ここで僕の脳裏に、亡き父の遺言がフラッシュバックした。
「よいか息子よ。この世に棒が有る限り穴もまたある。ワシには見えるのだ。どんなに差し込むことが出来ぬ穴であっても、必ずや棒を突き挿れようとする熱き漢達の姿が。だがそのときには貴様はもはや、刺す側から刺される側に回っていることを心するが良い。わははははぐふっ…」
サイテーな遺言もあったものだが、どうやら「世の中の電子機器においてプラグとジャックが存在するところは何でもアダプタがあって変換ができるようになっているのだよ」と言うことを、この今際の際になぜかゾーマ様風の言い回しで伝えたいらしいことはわかった。ちなみに父は元気です。

というわけで通常のイヤホンに、リモコンマイク部分のみ付加するアダプタを探す旅に出る。こんなにリモコンマイク付きイヤホンが溢れている界隈であれば、そのようなアダプタ類似品ばかり10種類は出てくるであろう。欲しいのは「2極プラグの通常のイヤホン等を、iPhone対応の4極に変換し、言うまでもなく3ボタン式リモコンマイクが付与されるアダプタケーブル」である。きっとたくさんの選択肢で選ぶのに難儀するに違いない。


iLuv iEA15BLK
http://www.amazon.co.jp/dp/B002ZGFQKQ

エレコム MPA-IP353M3シリーズ
http://www2.elecom.co.jp/avd/cellphone/headphone/mpa-ip353m3/

Simplism Dualo One-click Remote with Mic
http://trinity.jp/products/simplism/dualo/



驚くべき事に要件を満たすものはコレしかなかった。
しかもそのうちの2つは発売停止状態であり、残る一つも「数日で壊れた」系レビューが鬼のように出てくる
Simplismに有りがちなブッコワレ系問題児確定の逸品である。なんだ。なんだこの状況は。

他にスマホアダプタを謳う製品はいくつかあるがどれもこれもiPhoneでないスマホ用で、ボリュームがアナログのアレだったりするし、マイクだけ付いてるとかボタンだけ付いてるとかDock接続だとか、結局なんだかんだとこのジャンルは壊滅状態と言って良い状態にあった。嘘だろう。そんなに需要無いのかこの世界は。

iOSの優位性を優秀なリモコンマイクの存在に見てエラソーに語ってきたが、どうやら全て幻だったのかもしれない。この世にそんなアドバンテージは無かった。なかったのだ。
そうだよね、純正イヤホンで物足りなければ、BluetoothとかDAC付きヘッドフォンアンプとか、そもそもイヤホン端子にイヤホン繋がないのが最新のアーリーでアダプターでマニアックな紳士達のたしなみだものね。そうだ。そうだったんだよ。はは、はは

さて、ここから至る思いは一つ「そんなにみんなイヤホン端子にイヤホン繋がないならば、俺もDAC買ってハイレゾでロスレスなジッタフリーミュージックライフをバランス駆動しようか」ということである。とりあえず単語を並べてみたが、要は高いDACポタアン買っちゃるけんということであり、物欲マニアに有りがちな沼への爆走を始めた気配がしないでもない。


さて定番のiDSD、Go DAP、iBasso、FOSTEX HP、最近ではSony PHAシリーズやそのフォロワーたち、あるいはついぞ名前を聞かないようなメーカーまでポータブルアンプは花盛りだが、ここは最初の一手と言うこともありお求めやすいFiiOからチョイスしてみよう。とりあえず最も安いE02iとやらを見てみよう。

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実にシンプルだが、これはちょっと簡素すぎる。だいいちイヤホン接続であってDACではない。リモコンやマイク付きなのは魅力だが、せっかくのDACポタアンブームなのだからLightning接続のものを…



え?


2極イヤホンを繋いで
3ボタンリモコン
マイク付きで
iPhoneの4極イヤホンに刺す
…アンプ?



いやこれだよ俺が欲しかったのは!
これアンプ付いてるけど実際リモコンマイクアダプタじゃん!アンプなくたってこれが欲しいんだよ!バカ!


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そんな勢いで買ったのがこのE02iです。Fiioファミリーでもあまり目立たないけどリモコンを求める我々にとっては福音であり大切な選択肢だ。


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ずっしりメタル筐体。仕上げ自体は安いアルミダイキャストによくある例のギラギラ質感。あまり高級感はないが、しっかりとした作り。ここまで見事に安アルミのギラギラならば、ブラックカラーにすればよかったなという気持ちになってくる。金属であるだけでかなり良い感じだが。


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3ボタン。中央ボタンはアルミのようだが、他はプラのスイッチ。
ボタンの感触は可もなく不可もない。


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光!!!る!!!☆!!!
あおく輝く光り物ガジェットは地球を救うのである。その証拠にノーベル賞だって獲ったではないか。
光量は用途とサイズから想定できる範囲より少々逸脱した強さである。ありていに言うと若干まぶしい。


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これだけちゃんと光っていると電源を切り忘れにくくなり、バッテリーを温存できるともいえるが、この光量にどれだけのバッテリー容量が費やされているかはあまり考えたくない。
ちなみにバッテリー容量などによって赤くも光る。


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後ろにはツメがついている。ツメ自体も金属製で、強度は問題ない。基部はプラスチックだがもげるということもなさそう。


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ただ、ツメを開くときにボタンを押さないようにすることが困難なのはこの手のもののお約束か。+ボリュームキーを押しっぱなしにしないとツメを開けない。iPod Shuffleですら解決できない小型機器の永遠の課題である。


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イヤホンジャックはプラグの出ている側と同じ向きにある。この点の良し悪しは多々あれど、こと収納時に限れば、これがまた最高にケーブルジャマーとでも言うべきケーブル絡ませ要因となるので注意が必要だ。


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ちなみに反対側はマイク。こっち側がジャックでも良かった気がする。


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充電はここからMicroUSB経由で行う。電池持ちはサイズを考えるとそれなりに良く、90分充電10時間駆動を謳う。
電源とバスブーストのスライドスイッチは少々頼りないが、勝手にON/OFFが切り替わるということもない。


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イヤホン基部。金メッキだしメタルのガワがついていて頑丈そう


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に見えた2秒後にガワがすっぽ抜けた。
いや、使用に問題は無いのだがびっくりした。瞬間接着剤で止めればなんてことはないのだが、まあ強度は推して知るべしか。


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とりあえずちょっと想定外だったのは以外と粗大なサイズだということだ。27g、そりゃ曲がりなりにもHPAなのだから大きさが必要なのはわかるが、リモコンを想定していた側としてはちょっと大きい。

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ツメで服に引っ掛けるのが前提なのはわかるが、ブラブラさせるにはデカいし重いし危険である。さすがにiPhoneの画面にぶつけて割れるとかそこまでの大きさ重さではないものの、純正イヤホンのリモコンや、Simplismなどのリモコンアダプタとは使い方がかなり変わってくる。


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さてiPhone6に接続。発売時期から「iPhone5対応」などと書かれて売られているが、言うまでもなく3GS以降の機器、iPhone6やiPod、iPadに至るまでイヤホンリモコンの仕様は同一であり、広く林檎印の機器において使用可能だ。見落としやすいがiMacやMacbook系でもこのリモコンマイクシステムは動作する。E02iが動くかは試していないが多分動くだろう。

いまさら説明するまでもないだろうが、iPhoneの4極プラグ式3ボタン・1マイクリモコンというのは、ボリューム上下のほか、中央キーは1クリックで再生・停止、ダブルクリックで曲送り、トリプルクリックで曲戻し、ダブルクリック後の長押しで早送り、トリプルクリック後の長押しで巻き戻しを行う事が出来る。
音楽再生時以外では、着信の受話、長押しでSiri起動も出来る。言うまでもなくマイクによって通話やSiriへの指示が可能だ。さらにボリュームキーはカメラ起動時にはシャッターボタン、つまりケーブルレリーズにもなる。

最近では頭の固いわたくしも、Google Now(Android版のSiri)などを経験してようやく使い方を見出してきたSiriである。殊にタイマーのセットなど、ああもう完全に声のほうが早くて楽で便利だなというレベルなので重宝する。別に卑猥な単語でセクハラ行為をしたり、マニア好みの返答をさせて悦るだけが使い道では無い。

E02iについてはこれらの操作は完璧に行うことが出来る。いや当たり前なんだけど。筐体が大きいとは言ったが、操作するに当たっては支障は無い。むしろ扱いやすいくらいだ。


リモコンでありながらヘッドフォンアンプでもあるE02iのすばらしい点はバイパス機能、すなわちヘッドフォンアンプ機能を起動していなくてもイヤホン、リモコン、マイクは動作することである。つまり充電を忘れ電池が切れたとしてもアンプ機能がない素通しのケーブルとなり、音楽も聴けるし上記操作も全てできる。
鋭く見抜いたような口調で語っているが、届いた箱に「バイパス機能搭載」の文字を見て初めて事の重大さに気づいたマヌケがこのわたしだ。もし充電しないと全く動作しなくなるとしたらこんなに不便な製品はない。充電物が一つ増えるというだけでモバイラーには鬼門である。ましてやこのように小さな機械、うっかり多発が目に見えている。

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せっかくヘッドフォンアンプが付いているのだから音質について語ろう。アンプとして売ってるのになんて扱いの酷さだ。

前述通りOFFでも音声はバイパスするので、くりくりと切り替えることでアンプのオンオフ効果がばっちりとわかる。OFF→ON時には1~2秒程度の待機時間が発生するが。
SHE9710やQ701という幅のありすぎるラインナップで視聴したところ、とりあえずボリュームは上がる。中央付近の音量でボリュームキー1回押し分くらい。Q701を十全に駆動するのに足りる、というほどでは全くないが、きちんと「バッテリー入ったアンプ」の仕事はしてくれる。
全体を持ち上げた結果ドンシャリと言えばドンシャリだが、それを志向していないことはわかる。ボーカルや中音もほどよく盛り上がる素直な特性と言えると思う。この手のものとしては大変に好ましい。バスブースターを付ければドンドンするが、純正イヤホンならばこれでちょうど良いと感じる人も多そう。
少しホワイトノイズが乗るが、ノイズを聞き分け邪魔だと感じられるほどの高級イヤホンを繋ぐためのモノでもないと思う。また当然ながら解像や音場が高まる広まるとかそういうエンスーなオーディオ要素はぜんぜんない。
音質を改善と言うよりは、音量・音圧ブースターと考えれば、なかなか趣味が良い。純正にしろSHE9710にしろ、素直でまとまっているのは良いが、破綻しない程度の迫力も欲しいナーという若干草食系な要望に応える手堅い廉価アンプだと思う。

オヤイデブランドで売っているが中身は中国の会社の製品であり、音質はどうなのかと気になっていたが、DUNUのイヤホンが衝撃を与えた例もあり、中国のオーディオ事情は世間が思うよりずっと高レベルに到達しているのだろう。

言うまでもなくたかだか3000円のリモコン兼用アンプなりの良さではあるが、これが3000円ならぜんぜん悪くない。イヤホンとiPhoneの間に入れると言うよりはもうイヤホンにくっつけてしまって一緒にポッケにしまうという扱いがちょうどいい。充電なんか切れたってたいしたことは無い。
リモコンマイクの選択肢は絞られたが、代わりになかなか良いものを見つけたと思う。あとは「故障が多い」という話に気をつけて扱っていこうと思う。


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…あれ?

E02iが故障する前にSHE9710が壊れました。
目下俺の唯一のイヤホン資産が無くなってしまった。こんなひどいはなしがあるか。おのれ。


仕方ないのでXBA-C10IPを買ってきた。りもこんついてる。俺は一体何をやっているんだ。これ買うハメになるなら最初からE02iは要らなかったのだ。要らなかったのだ。

泣きながらXBA-C10IPを繋ぐと、C10IP側のマイクとリモコンは当然のことながら使えなかった。いや当たり前なのだが。
E02iはしばらくはこのままアンプとして使うしかない。本来の使い方ですね。はい。