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久々。久々!久々の!iPhone!メタル!ケース!レ!ビュゥゥゥゥゥゥワァァァァァァァ!
ウゥゥゥゥゥォァァァァ!

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ウオウウオウウオ。ウオッオオッオ。

我々の標準言語に変換すると、「これがSpigen (SGPいつ取れたん?) の定番ケース。「ネオ・ハイブリッド」シリーズにおいてiPhone6と同時に表れた期待の超新星「リアルアルミニウムバンパー ネオ・ハイブリッド メタル」だ!」と彼は言っている。
iPhone4の頃から基本的に毎回一度はお世話になっている「ネオ・ハイブリッド」シリーズは、弾力のあるTPUカバーの上に強固なポリカーボネートフレームを装着するというタイプのケースで、iPhoneケースユーザー界でもド定番、選ぶならこれしかないと言われる製品の中の一つ。そういうド定番がいったい何十個有るのかわからないところがiPhoneケース業界の闇だ。

さてこのネオハイブリッドシリーズ、最大の欠点はアルミでないことであった。そんなことを思っているのは多分僕のようなフェチのひとたちだけだと思うのだが、とにかく金属でないので駄目だ。何故かというと金属でないからだ。これをトートロジーと言います。金属ではないです。

そもそもSpigenケースのポリカ部分に施される金属風塗装は、伝統的にあまり高級感のあるものでは無かった。ソリッドカラーの場合、表面の仕上げも相まってとても高クオリティであると言えるし、その質感も段々と向上はしているようだが、おおよそ他のケースの5割増し以上の値段でハイクオリティケースを謳う(謳ってるか?)製品としては看過しかねるレベルでメタル塗装の質は悪い。どうひいき目にみても「色塗ったポリカ」感丸出しである。というかそもそも色塗ったポリカなのだが、しかし写真写りや製品CGはかなり綺麗にレンダリングされていて、もしかして本当に金属製なのではないかと期待してしまうような画像が掲載されているため、実物を手にするとその落差にやられる。

手前味噌の紹介記事

【ハイバード】SGP Neo hybrid EX for iPhone 4ケースを装着

【ハイバード】iPhone5版 SPIGEN SGP ネオ・ハイブリッドEX ビビッドシリーズをレビュー


まあ悪い悪いとは言うが、ポリカに色塗るのならほとんどの場合このレベルだとおもう。全部製品CGが悪い。
悪いのだがじゃあオマエ「金属色塗ったポリカ」の安っぽさを超リアルに表現するマテリアルのレシピやシェーダー出してみろよ、なんて言われると曖昧な笑顔で消えていく以外無いわけで、CG屋さんだって大変なんですよ(逆ギレ

そこで僕は口を酸っぱくして「悪いことは言わないから、ポリカでメタルを追求するのではなく素直にアルミを使いなさい」ということをSGPに向かって言っているつもりで、実際は壁に向かってぶつぶつと呟き続けていたが、今回その思いというか妄執というか電波がメーカーに到達して製品企画担当がトチ狂ったらしく、このネオハイブリッドメタルが登場するはこびとなった次第。経緯の真偽については個人差があります。

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さて実を言うと今回買ったのはEXの付かない、背面もTPUで保護されるタイプのネオ・ハイブリッドメタルである。本当はバンパー版のEXが欲しかったが、iPhone 6 Plus版はまだ発売されていないようだ。
当然今後EXのアルミ版が登場するものと思われるが、そんなものを待っていられるか、既に奴はここに来ているのだぞ!(iPhoneを握りしめながら)

3990円という値段は、アルミ外装と考えると休めというか妥当な値段だと思う。逆にポリカの無印ハイブリッドでも大して値段が変わらないことに納得がいかない。
Spigen本家サイトで早々に注文しておき10月19日到着。
これを待っていた層は僕が想像するよりずっと多かったらしく、他のPlus用品も含めて軒並み出荷遅れの可能性があると通達された。結果的に僕の手元には記載された発売日までには到着したが、今後も品薄が続くかもしれない。
これでも十分に遅かったが、入手するために海外通販した初代から比べると隔世の感。あのころは円も高く海外通販に希望が溢れていた事よ。


さて箱を開けるとしよう。ただ予約どころか発表の段階で既に看破していたことだが、上記の通り「SGPの製品CGは基本的に嘘っぱち」である。メタル製品とて例外であるはずがない。全ては製品CGと比べて「実物はこんな綺麗じゃ無い」という現実を突きつけられるために買ったようなものだ。ヒデエ趣味だ。
なのでそこまで過度な期待はせずにとりあえずあけよう。そーれ。

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…!?

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綺麗じゃん

どうやら自分はSPIGEN SGPの製品だと思って買ったがELEMENT CASEの製品を買ってしまったのかもしれない。アルミがかなりまともな質感だ。そんな馬鹿な。馬鹿な話があってたまるか。SGPのキラキラCGだぞ。


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(参考)


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色合いがこんなCGみたく蛍光カラーじゃないのはどこの製品でも同じようなものだが、かといってくすんだ色合いでもなくけっこう派手なブルーで格好が良い。
表面処理は絶対安物メタルケースのようなテカテカぎらぎらザラッザラなメタルフレームが来ると思っていたのに、すばらしく細かいサンドブラストな仕上げで、触っていても気持ちが良い。また反射光も上品で、まるで10000円弱のメタルケースの本物の展示品を触ったときのようだ。偽物しか持ったことないとこういうときにはてしなくつらい。

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ここまできちんと仕上げてあると、削っただけ、流し込んだだけのむき出し金属である偽物軍団と比べ、触っていてもサラサラしまくっていて「金属触ってる感」があまりない。
あれだけネオハイブリッドのポリカを安っぽいとdisっておいて、今度は「もっと安っぽい加工で金属を感じさせて下さい」などとほざく最高のクソ野郎が私であり、今度こそSPIGENからブチ殺されても文句は言えないと思う。
この構造にしてはアルミ部分がかなり分厚く作られていて、曲がらないとまでは行かないが量感塊感がしっかりと存在する。超薄型メタルバンパーのぺなぺな感では無い。

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端子部などもしっかりと削り出されていることがわかる作りで、ダイキャスト流し込みましたとかとりあえず形状を掘り出しました感溢れる偽物バンパーとはえらい違いだ。

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端部のダイヤカット加工と称する部分は往年のiPhoneを思わせる磨き上げが施されており、角度によってキラリキラリと輝きを与える。本当にぶった切っただけで表面への着色すら施されていないため、「本家」よりもかなりシャープかつ派手にギラギラと反射する。少々うるさい感じもなくは無いが、視覚に与えるインパクトは大きい。
写真でも光っているのはわかるだろうがこの類の仕掛けは静止画では無く、また2Dでなく、リアルで眺めてこそ威力を発揮。

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スイッチ類も全て同材質同仕上げのアルミ部品である。別に「PWR」とか「+」とか書く必要は無いだろ。

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裏面は普通のアルミの様相だが、それだけに表面処理に一手間加えられていることが見て取れる。
スイッチ裏は薄いテープ止め。普通のバンパーならゴムシールであるところ、本製品はTPUとのハイブリッドであるのでこういうシールとなっているわけだろう。
このあたりごくごく微妙な利点だが、ゴムシールよりもスイッチ押下の感触がシャープに感じる。誰がそんなこと気にするんだというレベルだが。
書く必要が無いと言えばこの手のメーカー表示もだが、ダサフォントやズレたロゴではないので大目に見たい。

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今回は「アルミが安っぽかったとしてもそれなりにかっこよく見える」理由でブルーを選んだが、この仕上げならブラックやシルバーやシャンパンゴールドという、「本体と仕上げの差を直接比較されてしまう色」であっても問題なく装着できると思う。
というかシャンパンゴールド選べば良かった。失敗した。どうせ本体と比べれば見るに堪えない出来だと完全に侮りまくっていたのだ。

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これはSpigenを見直した。しょせんぺなぺなポリカを仕上げるのが上手いだけのメーカーだと思っていたのに、ここまでこだわれるとは思っても居なかった。しかもこれが定価4000円程度は安いと思う。しかもただのアルミバンパーでは無くハイブリッド仕様で保護性能も良い。EX版でもないのにEX版の出来を妄想するのもどうかと思うが、どうせアルミのガワは使い回しできるようになってるはずだ。
さいきんはiPhone本体を超越する速さでケースをリリースしてくるというあわてんぼうのSpigenだが、流石にマニア向けたるアルミケース界隈にお いてこんなに早くも本命が姿を見せてしまうとは。業界も戦々恐々としているはずだがたぶんそんなことはない。

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TPUケースの側も少し前の同社の危なっかしい仕上げと異なり、表面の処理や材質なども着実に上質になっている。

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ディンプル加工はとても緻密だが、逆にあまり滑り止めの用は為さないサラサラ感を強調した仕上げ。

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裏側は凝った仕上げでエアクッションが設けられている。
この光沢部や開口部はツルツルな仕上げにされているだけで、別パーツがはまっているわけではない。

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スイッチ部は少々凝った構造。
EXでないからかもしれないがTPUケース自体がそれなりに厚く頑丈に出来ている。これだけで普通のケースのようだ。ここまで頑強ならケース自体はもちろんのこと本体もちょっとやそっとで破損したりはしないだろう。

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出っ張りカメラもきちんと保護される。
リンゴマークに開口部を設ける系のケースはそろそろ閉口したくなるのだが、どうしてもというのであればせめて保護フィルムくらい同梱してくれないものか。
写真では余った保護フィルムを切って貼り付けてある。気泡は残るが、思ったより目立たない。

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このシリーズの懸念である付けやすさと外しやすさだが、アルミの影響か長年の研鑽のたまものか、付けるときに力は必要だが、付けるときも外すときも無理をしているという感じがない。かといってゆるゆるかというと全くそんなことはない。ただこれはEXでないからという理由もあるか。バンパータイプであればまた違ったと思う。

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全装着。格好良い。

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とても格好良い。

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ネオハイブリッドシリーズではあるが、同シリーズのような極薄フィット感は少々薄まる。良くも悪くもケースとしての存在感がある。

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端子部。サード製のLightning機器が刺さらないほど小さくは無いが、従来に加え更に厚みを増しているため、ごんぶとなイヤホンやLightning機器は刺さりそうにない。

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マナースイッチ部は少々深い。
持った感じ、まずそれなりの重さを感じる。いやケース自体はさほどの重量はないしiPhone 6 Plus自体決して特別軽いというわけではないのだが、本製品の金属感やゴツさがiPhone本来の重さを引き出して得も言われぬ重量感というなんだか料理レポのような感想を持った。極端に重量が変わると言うほどのこともない。
電波感度については、体感とテストモード含め、ぜんぜん変わった感じがしなかった。iPhone6はもはやバンパーと干渉する位置にアンテナが置かれているわけでは無いため、金属のバックプレートなどで無い限り影響は少ないと思われる。

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スマートさとインパクトを兼ね備えたデザイン、サラサラに仕上げた金属の肌触り、動かすたびギラリと輝くダイヤカット、握りこんでもびくともしないTPUとアルミのハイブリッドな剛性。
これはまた久しぶりにGoodなケースと言えると思う。じつにわれわれの欲望に忠実なケースだ。金属バンパー派でない人にも是非試してもらいたい。比較的手の届く価格も魅力。

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メタルバンパー界もすっかり普通のケースという位置づけになってしまったが、本製品の登場によってその構造は決定的となった予感すらする。iPhone 6 Plus対応のEXを楽しみにしつつ、長年の夢がハイクオリティに実現したこのケースの登場を喜びたい。














6無印版のEXは出ている。