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タイトルでだいたい全部終わってるんだけど語らせてくれ。たのむ。
前回外側だけ(というかもはや色だけ)レビューしたNexus5、「スマホ買ったらなにはともあれまずケース」だが、量販店に行って途方に暮れるわたくし
「…Nexus5のケースって…どこ?」

今や携帯電話本体のコーナーより広大な敷地を占有している、携帯・スマホアクセサリコーナーにおいて、僕はとうとう「Nexus5対応品」のコーナーを自力で見つけられなかった。
というかiPhoneコーナーが広大莫大絶大ヒュージすぎてAndroidなどほぼオマケであり、XperiaのコーナーですらiPhone4/4Sコーナーに劣るという有様。

Androidがオープン化と引き替えに断片化に縛られてるなどの、業界誌や経済新聞で読んできたような事情はどうでもいい。畢竟これがユーザー目線での現実。ソフトでオープンを謳っていてもアクセサリに自由はなかった。
大都会iPhoneという、ジョブ神信仰教団の支配する魔都に長らく住んでいた僕は、そこから一歩外に出た、Androidという田舎の荒廃と、差別され虐げられる住民の現実など、まるで知る由もなかったのだ。もう「翔んで埼玉」みたいな話になってきた。

魔夜峰央:やおい君の日常的でない生活 (ジェッツコミックス) [単行本] 「翔んで埼玉」収録

そのAndroid界の中でもNexus5ともなるともっと悲惨だ。国内ではXperiaでもGALAXYでも国産機でもないAndroidなどただのマイナー機である。マイナー機のよりどころであるキャリア別コーナーにすらイーモバイルまたは「キャリアなし」のNexus5に居場所はない。
困ったことになった。これでは素敵ケースどころか本命が届くまでの液晶保護フィルムすらおぼつかない

落胆のあまり、荒野を三日三晩歩き続けてきた旅人のような有様で、おそるおそる店員さんに「Nexus5のアクセサリはありますか」と尋ねる。すると店員さんはにこやかに手をさしのべ、イーモバイルの小さな小さなキャリア窓口の横に僕を誘う。
そこには町の携帯ショップに置いてあるような陳列棚に、フィルムからケースからアダプタまでそれぞれ2~3種類に満たない、Nexus5アクセサリのラインナップがあった。

これが…「量販店の出せる限界のNexusユーザーに対する誠意」であり…これが…Nexusユーザーの現実だというのか…ッ

ほとんど「>>1の故郷の群馬県から干し柿を手にうちひしがれて帰ってきた我々」と化しながら、ラスタバナナの一番安い保護フィルムを手に、某家電量販店を出たのだった。


そんなわけで頼みの綱は通販だけだ。とはいっても通販においてもなお、Nexus5とiPhoneにおけるケース選択肢の差はアリとインドぞうのそれ。この差を埋めるゴースやライチュウたるケースは果たして存在するのか。

まずSGPのケースを頼ると、このあたりが良さそうだ




ゴツかっこいい!
しかしこれをつけてしまうと一つ問題がある。せっかくのNexus5の眩しく目に痛い「ブライトレッド」がほぼ完全に隠れてしまうのだ。できればクリアパーツやバンパーなどでこの赤を生かしたい。

しかしネオハイブリッドにしろ、SGPのメタリック系はガッカリ質感だと相場が決まっている。かといってすべてクリアというのもどうか。
ならそもそもiPhone使用時と同じく、おなじみアルミバンパー(出来れば格安品)を狙えばいいのではないか?しかしここは魔都iPhoneを遠く離れた僻地である。そうそうそんなものが都合良くは…



あった。

そもそもNexus5にアルミバンパー製品自体無いに等しい。「コマンダント」というムキムキマッチョマンの変態ぽい名前のケースが見つかったが、それ以外は皆無。
http://nexus5accessories.com/kommandant-nexus-5-aluminum-bumper-case/

そこへもってこのAmazonマケプレの小さい業者さんが、なぜか売ってるアルミバンパー。別にこの業者さんが作り上げたわけではなく、これはもう中国の世界工場クオリティというか、本家が出してないiPhone5対応CleaveがなぜかiPhone5発売時にはもう売ってたというあれみたいなもんだろうなと。
いっつも偽ケース買っといて今更こういうのもなんなんだけど、パクリ元すら存在しない謎ケースなど買って大丈夫なのだろうか。そもそもこの業者さんの名前たるやもう

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わけがわからないよ(購入ボタンを押しながら)

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クッソ最小限な梱包で届く。君たちはいつもそうだね。

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アルミ光りする黒バンパーである。どうして人間は素材の種類にそんなにこだわるんだい(蜂の巣にされる)


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Trigger(偽)と比べるとだいぶ薄く仕上がっている感じ。いや比べる相手が悪すぎるか。がんばれトリガー負けるなトリガー。それにしても薄手なのは確か。

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ねじ二つ止め。このねじ、構造上VaporとかElementcase基準で言うと結構短いが、それほどがたつくこともない。
六角穴のキャップボルトではなく普通のM2くらいの十時穴ボルト。メガネ用ドライバーで回せる。

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小さいが予備のねじは割と多めについてくるのであまり不安はないが、ネジより穴のほうのかみ合わせが渋めで、バカにならないかちょっと不安。


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下部のスピーカーとコネクタ穴。一応純正付属のケーブルが楽に刺さり、それより大きめのマージンを取っているが、意外とMicroUSBのコネクタ基部というのは太いものが多い。たまに刺さらないものがあったりするので注意が必要。


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イヤホン側。ノイズキャンセル用のマイク部にも穴が開いている。こちらはコネクタより制限がきつい。Appleのような細身のイヤホンは刺さるがそれより太いと厳しい感じ。


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表面。うっすらとホイールマークのようなものがあるが、最近のアルミものはダイキャストで作ったものを言い訳程度にドリルでなぞってホイールマークだけつけてたりするので、素性はもう気にしないことにする。質感はちょうど偽Vaporなどの良くあるアレ。


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ああ、こういうコテコテの安物アルミバンパーひさびさにつけるなあ。内部クッションシートがずれてるのも、日常茶飯事すぎて良い。


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色はブラックを選んだ。今回は実に悩んだ。HomuHomuのアルミバンパーは12色ほどの多彩な色がある。赤や青や黄色やパープルなども楽しそうだし、シルバーやガンメタも良さそうだが、今回はつける相手が相手だ。
見よ、この赤色だけが既にバキバキに浮いてる写真を。この赤に下手にくすんだ赤や黄色を添えると、見苦しいことになる。
青や紫などの補色や寒色、ホワイトなども、同じくらいビビッドな色ならガンダムカラーで合うのだろうが、安物アルミバンパーの色ではどうしたってくすんでしまう。
ではシルバーやガンメタはどうか。普通の赤ならいいのだけどこのドギツすぎるビッカビカの蛍光レッドにシルバーやガンメタはやはり難しいだろう。
残るはブラック。これしかない。個人的にブラックのアルミ製品には、一つとしていい思いをしたためしがないので避けたかったのだが、この赤さをどうにか攻略するため清水ダイブでブラックをつけてみよう。さて、吉と出るか凶と出るか…


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あっ

…いやその、これは、これはなんというか予想外にその




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か、かっこいいぞ…?

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この、コネクタ部やスピーカーから覗く激烈鮮烈なレッドと、それを覆う厳ついブラックメタルボディを見るが良い。
整形が甘くてスキマがあるだけだが)液晶の周りがちらりと赤く縁取りされている、この攻撃的な感じを見るがよい。
これはもしかして目下考え得る強烈な組み合わせの最高峰を選んでしまったのでは、ないだろうか、これは。
おそるおそる裏をめくってみると…

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あっ
あっ
いけません、これは、これはだめです
格好良すぎます。
いけません、これはいけません。何がいけませんて格好いいってのがこうなんというかブ○ーチとかいうオサレ漫画に「オシャレ」て言ってるような居心地の悪い「カッコイイ」みたいな感じではあるんだけど、それでもなにかもう僕のハートにズビズバなこの感覚は


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うわああああだってコレはもう反則、反則級でしょうもうちょっとこの、そう、一言で率直に言うならこれはあれだ。
中二カラーだ!(本質を突いた発言)

ええええ格好良すぎる。格好良すぎるよ「ブライトレッドに黒メタルバンパー」!
これは大人が持つには恥ずかしいよ。恥ずかしいけど俺はそれでも持つダメな大人だよ!

まずこういう「外装黒いのに穴がビビッドレッド」ってあたりが強烈すぎて困る。いわばThinkPadのトラックポイントの格好良さなんだけど、赤が強烈なのと穴の部分であることが格好良さを引き立てる。

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とくに下スピーカー部なんてこういうデザインの理想型みたいなたたずまいでびっくりする。端部など、ケースの隙間からチラッと見える本体の赤さがまた強烈なアクセントで良い。


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そもそも黒枠にまっ赤っかというだけで中二病的格好良さを約束されたようなものだ。このハーモニーは危険すぎる。危険すぎるが大好きすぎる。べた惚れなレベルで気に入りすぎる。これはまずい。


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で、でもまあ、たとえばこの奥にひとつ見えてる、ジョルジュ・ジウジアーロの手によるニコン一眼レフの数々だとて、代々黒ボディにレッドのグリップゴムだ。誰が見てもナイスな色というわけだね(震え声)


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…若干取り乱しましたが、「似合いすぎて危険」というレベルであることがわかった。
似合う、というかそもそものレッドからしてちょっと世にはばかるような強烈さなんだけど、その強烈さを一段と凶悪にしてしまったという、ある意味絶対にやってはいけない組み合わせ。

色以外のことも話すと、まずたいていが本体の操作性を損なうアルミケースだが、今回に限って使い勝手はむしろ向上した。
ほむほむバンパーがかなり薄手でフィット感も良く、操作の邪魔にならないというのもあるが、そもそものNexus5のボタン自体がちょっと背が高すぎて誤動作を頻発するのだ。
ボタンの位置から言っても、「ボタン部に指がかかるようにして、両手でつまんでしっかり持てるが、同時にボタンは動作させない」ということが出来なかった。つまり持ち上げるときにしばしばボタンが押ささる(北海道弁)

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それがこのバンパーがあることで、持ち上げるときにも意識しない限りボタンは押されないが、しっかりと保持できる。なおかつ押そうと思えばほとんど意識せずに押せる良いバランス。


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本体のグリップ自体も、カドならカド、丸みなら丸みと統一されていればいいのだが、いまいちどっちつかずなNexus5はむしろこうやってきっちり角を立てた方が持ちやすくなる。


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ところで保護性能はどうか。
バンパーの常だがあまり保護に対しては万全ではない。それどころか背面はカメラのみならず盛大に出っ張っているので、ほとんど保護性能はないと思う。

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一番飛び出ているイヤホン穴の縁取りでも、カメラの高さより低い。もうなんか保護はあきらめた方がいい。iPhoneのように神経質なメタル&ガラス製ではないのだから、ある程度割り切って使いたい。


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別記事で紹介する保護ガラスを貼った状態。ほんの少しだけガラスと干渉するが、貼り方やガラスの精度の問題かもしれない。バンパーを装着したまま貼った方が安全だろう。
裏面と比べ、液晶面は多少のマージンがあり、伏せ置きしても大丈夫な高さはある。ガラスを貼ってちょうどツライチとなるくらいの高さ。

その他、まず使い勝手としてネジ型アルミバンパーの常だが、ドライバーや延長アダプタを持ち歩かない限り、量販店のイヤホンの視聴やヨソのPC・充電器に接続する際など、コネクタ周りで詰まることが多いので注意すること。ケースのせいで刺さらない、となってもドライバーがない限りケースを外す手立てはない。

また、「仰向けで寝モバしてたら手が滑ってスマホが顔にバチコーン」というよくある現代社会の悲劇についても、アルミバンパーはその威力を数倍増させるのでこれも注意。

最後に電波状況。プラ外装のNexus5でそこまで気にするほどかと思ったが、確実に電波は減衰する。
悪いことにNexus5はプラチナバンドに対応していないので、室内などもともと電波の弱いところなどでは最後の一押しとなって圏外に放り出される危険がある。スマートフォン使いが圏外になるとゼロ・グラビティのサンドラ・ブロックみたいな焦燥と絶望に包まれることは言うまでもないので、くれぐれも留意の上で購入してほしい。ゼロ・グラビティ見てないけど。


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というわけでHomuHomu(シャルロッテオンライン)のアルミバンパーの紹介でした。
このシリーズには赤もあり、Nexus5の初期色は黒と白であるため、赤バンパーと黒本体で同様の世界観を出していたユーザーもいるだろうが、やはりこの組み合わせの赤は鮮烈でなければ様にならない。
言うまでもなくモノそのものはただの黒いアルミバンパーで、登場時にこれを想定したわけではないのだろうが、だからこそここまで劇的な出会いはなかなかお目にかかれない。人によっては顔をしかめる勢いで強烈な外観となる。「人を選ぶ」という言葉がぴったりくるデザインといえそうだ。

しかし勝手に決めつけるが、このNexus5の赤を意図的に選んで買う人間という時点で、既におとなしい外観などを気にする人間ではないだろう。派手さを求めているのだろう。そうだ、もうこの強烈な外観を見て額の第三の目が疼くのだろう・・・ククク隠さなくともよい・・・派手すぎるなどと口では嘯いても貴様の血に刻まれた中二の刻印が精神を揺さぶっているのがわかるぞ・・・さあその衝動に身を委ねt(以下略





ところで、マーケットプレース品だからか、商品ページから直接色を選択するということができない。また、製品写真はこの手の安物の常通り代表色や全色の写真だけだったりする。
別の色を探す場合は検索を使い、きっちりとタイトルをチェックして色を選ぶようにしたい。






余談だけどThinkPadの黒x赤といえばそもそもの元ネタがあることは大変有名である。
この赤黒Nexus5もまさにその元ネタとクリソツであり、一度関連づけて見てしまったら最後、ダークな中二病感など吹き飛んでしまう危険性がある。さらにはおなかもすいてくると思う。

その覚悟がある人向けに以下の広告で締めさせてもらう。