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またロジマウスかよ。そうだよ。
消費増税を迎え、3%程度の増税で困窮するとは思えない人たちがお祭りムードで買い溜めを行い、そもそも買い溜めや早めの買い換えをする金もない、本当に 困る人たちから白い目で見つめられるという、トラディショナルでビューティーなイベントもようやく終わりましたが(社会批判)、そもそも3月末と言えば決算期でありセールであり、唐突にものが安く手に入ることがおうおうにしてある。
そんな決算なのか消費税なのかXPなのかはともかく、NTT-Xstore謎のご乱心的超特価セールにて、TK820がK400rより安いとかとんでもないことになっていたんですが、そこで3000円で手に入れたのがこちら。

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G602~ほんわかぱっぱっぱ~

MadCatzあたりが燃え上がらせた「カッコ最優先」ゲーミングマウスをG700sを擁するロジクールがうまいこと解釈して作り上げたスタイリッシュゲーミングマウスである。
この華美というか派手というかムダな意匠を見よ。謎文様で闇落ちしていたsシリーズどころではなく、謎変形を遂げて闇落ちして寝返ったあげく、肉体をも改造されて主人公に敵意を燃やすかつての戦友感が出ている。でてるかなあ。まあとにかく、シルバーメタリックを多用し、ただでさえシェイプでエルゴノミックな形状はさらに一段とひねりを加えられソリッドでシャープな形状を与えられ、だいぶアグレッシヴな形ながらも高級感を伴う、実に進化したスタイリングになった。

さてまずはいつも通りのロジクール箱をいつものように開封していこう。MX-R以来このタイプの箱ももうおなじみである。

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斜め向きに封入されたG602が登じ…

…?

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あれ?
なんかだいぶイメージ画像と開きがないでしょうか…

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あれえ?
シルバーメタリックでソリッドでシャープながらも高級感…は…そんなに…



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思わず作ってしまった。

いやーその、ホントに実物だと全然イメージ画像とちがくないですかねこれは。なんかすごく残念。なんだろうこれは。

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大きな要因の一つはこのメタリックなラインが、金属パーツではなくプラ製で、色にすればただのロジマウスのパール塗装色の、表面がテカテカしているだけのパーツであったこと。それも表面処理がなんかすごく安い。最初、メタルパーツだから透明な保護シールが貼られていると思ったくらいだ。テカってはいるのだけどテカりがひどくたわんでいて、プラモ初心者のクリアフィニッシュ塗装のような残念感だ。

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いやこれ、このマウスの最大のキャラクターラインだろ。なんでこんなバリ浮いてたりするんだよ。Gマークもほとんど埋もれてるだろうコレ。
ここ金属パーツって言うレビューを何件か見た気がしたのだが、全然全く判別つきにくいというイメージすらないテカテカパール塗装プラであった。どういうことなの。

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スイッチ部のプラもなんだか僕の持ってるロジマウスでも2000円台とかのエントリー機っぽいかんじ。グリップ部分はG700譲りのざらざらなグリップでいい感じなのだけど

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ホイールが金属ホイールじゃないのはまあいいとしても、これもなんだかぱっとしない。スタイル的に滑り止めの縞々意匠を入れてないのはわかるんだけど、この質感と相まって極安すぎてそれすらコストカットされた底辺マウスのそれに見えてくる。

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この凝った意匠の部分もまあ、かっこいいことはかっこいいけどやっぱりここがこういうゴムなのはなんか違う気がする。そもそも色がゴムっぽすぎる。ラバー塗装とかにすべきだったんじゃあ。

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つまり全体的に安っぽい。いやそもそもロジマウスはこれ見よがしに高級な質感を押し出してないし、これも従来と比べて劣るというわけでもない。しかしこのパッケージ画像がちょっと「そういう路線」を想起させるものだったのだ。
ちょうどMadCatzのR.A.TシリーズやLevel10M、コルセアのRaptorなど、メタルパーツを多用したりエキセントリックなデザインだったりするゲーミングマウスが小さいながらも市場を築き始めたところ。そこにマウス界の大御所が参入した、と僕が勘違いしただけなのだ。だけなのだけどさあ。

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このテカテカ部分がメタル素材でないのが本当に納得がいかない。M905やM950ではちょびっとだけどメタルだったじゃあないか。のみならずこのいいかげんな仕上げはなんだ。よく考えると非常識な特価セールで買ったから3000円なのであって6000~8000円もするマウスなんだぞこれ。R.A.T MやLevel10M買えるわ。定価で買ったらキレてるところだ。

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悪いことに写真で撮るとけっこうメタルっぽく見えてしまうのだ。レビュー写真を見てもそう見える。絶対狙ってやってる。それが証拠(?)に、ロジか店側かはわからないが明確に展示を渋っている。札幌で実物展示してあるのを見たことがない。だからこんな幻想を抱いてしまったのだ。クソが。

Logicool Gの新型光学式マウス「G502 Tunable Gaming Mouse」が5月16日に発売:
http://www.4gamer.net/games/023/G002336/20140408069/

ほらみろこんなR.A.Tフォロワーな製品出しちゃって。ああいうのと対抗したいならこんな安さ丸出しにしたらアウトだろうに。

まあ世間一般のユーザーが全く気にもとめないであろう素材フェティシズムな文句をわめき散らすのはこの辺にして、スペックと使い心地を見ていこうかと。

○本体

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質感は気にくわないが、形状とデザインは本物だ。型番ではG700sより下級のモデル扱いなのかもしれないが、所詮あっちはリニューアルで世代を3つ重ねた老兵。G602の形状は幾分細身になっており、これがG700sで感じたデカさを上手く絞り上げている。

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さらにグリップ感も適度なサイズ感も「ぴったり」「しっくり」としか言いようのない仕上がりに練り上げられており、ロジマウス的エルゴノミクスの完成形と言ってもいいくらいに持ちやすい。もちろん個人差や好みはあるだろうし、IE3.0信者がこれを代替に出来るとは思えないが、「ロジマウスになじんだ人なら」最高峰と言って良いのではないだろうか。
反面その重さはG700と同等。乾電池2つ乗せとはいうものの、重たすぎる人には無理だろう。外装に金属を使っているなら言い訳も立つがそうではない。重い。

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底面
センサーはきれいに中心に位置しており癖がない。センサーはデルタゼロセンサーなる新開発の光学センサーで、おそらくその名の由来であろう鋭角なプリズムレンズが覗く。面白いことにこのセンサー、光学式なのにほとんど発光を確認できない。もちあげて指を添えていると確かにうっすらと光っているようなのだが。

いまさらゲーミングマウス相手に、FPSガチ勢でもない自分がカーソル精度の評価をする必要もないだろう。ただ操っている限りではかなり気持ちいい精度なのは確実だ。省電力モードでも十分高精度に思える。


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レシーバーはおなじみのナノサイズタイプだが、G700同様Unifyingではない専用品。もちろんG700と共通で使えると言うこともない。ハイレイテンシと省電力を実現するためには必要なのだろう。


○ボタン

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こんな型番でありながらG600との共通点はほとんど見いだせず、むしろG700系。左クリック横のボタンは2つになって、言うまでもなくDPI調整。サイドボタンはG700とG600の中間たる6つボタンという変則型。

だが、G600よりとっつきやすいかと言うとさにあらず、これならばG700のボタン配置で良かったと思う。
自分でカスタマイズするのであっても直感的に理解できるというのは重要だと思う。それが出来ないというのなら、むやみにボタン配置や数を増やしたり減らしたりするものではない。

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あとメタルか否かと同じくらい納得がいかないのはホイールがチルトでないことだ。これはロジクールの8000円の多ボタンマウスではなかったんでしょうか。はっきり言って論外なレベルで信じられない。チルトみたいな軟派で誤操作の多い機能はいらない、という硬派なFPSガチ勢は多いだろうが、これのどこがそういうマウスだというのか。
つまるところせっかく増やしたサイドボタンにしわ寄せが行き、ユーザーから見れば単に、チルトで果たされていた機能のボタンが、わかりにくく押しにくいところに追いやられただけになってしまっている。

何をどう企画したら、この型番と値段帯のマウスからチルトを省くという暴挙が導き出されるのか。重要な鍵はライバルのRazerの「Naga Hex」だろう。ボタン数やチルトなしなどボタン数についてはかなり肉薄したスペックになっている。Naga Hexをリスペクトし無線化したのがG602と言えそうだ。
だがいまさらRazerの足りないところまで真似をして何の意味があるのか。そもそもNagaの後追いたるG600にはチルトどころかG-SHIFTとかいうトンデモなカスタマイズブースト機能までにこやかに搭載しておいて、いまさら体育会系に宗旨替えもないだろう。
また新登場のG502にはしっかりチルトがついているが、オマージュ元のR.A.Tシリーズでチルトがついているのはごく一部機種だ。このあたりG602における迷走の跡が見えるよう。

ちなみにボタン自体の質感はいつものロジクール基準であり、良好そのもの。手に届く範囲では形状も非常にスタンダードに押しやすい。ホイールも全く刻印がないのに不思議とグリップ力が高く、回転のクリック感も少々ゆるめながら適切だ。

○ソフトウェア

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いつものゲーミングソフトウェアで、ナイスなカスタマイズが可能。

最近わかったのだが、LGSではマウスボタンをダブルクリックなりして直接設定をいじると、ちょっとおかしなことになるため、左サイドのメニューでキー設定を行い、そこからドラッグ&ドロップで各キーに設定を割り当てると安定して動くようだ。

「なぜか割り当てできない機能」などは一通り無いようだし、マクロや変わったキーバインドでもしっかり受け付けてくれ、前面アプリによるプロファイル切り替えも正常に動作する。オンボードメモリも搭載しており、ここらへんは最新ロジゲーマウスをしっかり踏襲。
つまりモード切替やGシフトなどというマジキチカスタマイズ厨たるG600ほどには、カスタマイズに関して特筆すべきところはないが、G600がイカレてるだけの話で、本来カスタマイズはこの程度でも一般的には十分高機能だ。

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ちなみに上の写真でもちらりと見えてるように、LGSは複数のロジクールマウスを使用してもきちんと両方別々に設定を割り当てることが出来る。作業によってマウスを使い分けるというのも手だ。ただし、プロファイルを割り当てるアプリケーションの設定(右上)はどうやら共通だが、これは逆に便利かもしれない。
ちなみに最近知ったがこのプロファイル欄、最初は6枠しかないように見えるが実際は登録すればいくらでも横にスクロールできて枠数に制限はないようだ。

○光る

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ああ光る!

といっても中央の省電力モード切替スイッチ(電源ではない)の切り替えインジケーターと、横のDPIインジケーターのみ。G600のようにボタンが光ったりはしないし、さすがに無線なので常時点灯でなくすぐ消える。


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○電池

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DURACELLの普通の単三電池が二本ついてくる。充電機能がついているとは言え、G700は一応エネループ同等品だったぞ。

このマウスは電池の持ちもアピール点で、省電力モードで1440時間を謳う。モードとやらはパフォーマンスモードと省電力モードがあるが、正直使った上で違いが見いだせなかった。事実上の雰囲気アイテムな気もしてくる。

省電力モードで運用したが、電池は確かに保つ。1週間程度の使用ではびくともしない。逐一底面スイッチを切るようなことをしなくても余裕で保ったし、おそらくは自分でスリープのような状態になっているのだろうが、起床のラグなどもほとんど感じさせないのがよい。


ただし、冷静に考えるとこれはマウスである。ゲーミング機器といえどもマウスである。ファミリー内にあの伝説の3年マウス「M705」という金字塔がある以上、一月程度でほいほいと電池を買い換えるようなザマでは困るのだ。

G700のように元の電池のもたなさに加え、「下手に有線接続切り替えなどつけるものだから、電源の切れたPCにつなぎっぱなしの運用になってなかなか満充電されない」がため、結局3日保たないというのも確かに困るし、それよりはかなりマシな部類だが。


本気で長く運用するならば、エネループ2セット分と充電器を常備しておくことをオススメする。その分の費用を惜しまないのであれば、電池の心配は皆無と言っていい。

G700もいっそこうなればいいのになあ。


○総評


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けなしてきたが決して悪いマウスではない。中堅のゲーミングマウスとしてとんがったデザインを有し、グリップ感もDPI切り替えも多ボタンもあって、その上でこの精度と省電力は良く出来たマウスと言うほかはない。


ただし華がない。華もなければ快感もない。金属でも高級仕上げでもなければ、製品イメージを先導する素敵機能やアイコン的何かがついてるわけでもなく、G700の電池で叩かれたのをそんなに根に持ってたのか、というくらいの省電力性はあれど、逆に言えばやっと「良好」「問題なし」といえる位置まで戻ってきただけの話だ。挙げ句の果てに金属ホイールもチルトも充電機能もなしで8000円とあっては、ちょっとね。ちょっと。


逆にどうしてそのあたりを一つも奢ってやらなかったのかが不思議だ。そうすればG700後継としてかなりの銘機マウスになっていたはず。それではG700sをカニバってしまうというのであれば、そもそもG700なる老兵に無理に続投なんぞさせなければ良かったのだ。「G702」としてこれらを備えさせて併売するとか、出来ることはあったろうに。

どうしても新開発(だがレーザー式より「格下」である光学式の)デルタゼロセンサーを使いたいのと、Naga Hexの影がチラついてしまってこういうことになってしまったのだろうか。いろいろ政治的に悲業のありそうなマウスである。


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3000円で手に入れたのはある意味本当に幸運であり、何かの手違いで定価でこれを買っていたら、今頃はこの記事にもさぞ怨念溢るる呪詛のコメントが並んでいただろう。

G602はたぶんG700のような長寿命製品にはなれまい。まだ出てすらいないがG502のほうがよほど魅力的に見える。


それでもたとえば「チルトを邪魔だと感じているがG700に惚れ込んでいるユーザー」などであれば、G602はベストにしてマストバイなマウスかもしれない。それでもやっぱり値段は高いが、まあ、投げ売りされるのを待てばいいんじゃないかしら。









あとこちらつまらないものですが、せっかく本物と似せて作ったので素材にどうぞ…アルファチャンネルもついてますんで…

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