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脅威の1299円。
SPIGEN SGPのGLAS.t が切り開いたスマホの画面保護における新境地「保護ガラス」もすっかり定着し、こういうゴミ安商品が台頭してきたというわけである。逆説的に言うとこういうのが台頭してきたら一般定着とみなして良い。ホントかよ。
USG製の保護ガラスを愛用してきたが、今回はいっそのこと値段の底辺を探り、この業界のヒエラルキーを確認したい。

さてギョウカイナイヒエラルキーもなにも、保護ガラス業界はほとんどが3000円程度が目安で、そこから大きく外れるものはそれだけ特殊なプロファイルをもったアイテムであると考えて良い。ホントかよ。
例えば3,600円程度と現段階最高値と目されるクリスタルアーマーはゴリラガラスを採用し、iPhone本体のゴリラガラスと2枚建てというもう何言ってんのかよくわからんじょうたいにすることが可能だ。その逆に安値の保護ガラスというのはほとんどなく、「R」(エッジを丸めたタイプ)や「薄型」でない素の保護ガラスを見渡してもほとんどが3000円をかすめる。ウチでもレビューしたUSGのITGについては最古参製品なので多少安売りされてはいるものの、それでも2000円台前半だ。

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そこにぼくたち貧乏人とあやしいパチ物愛好家の味方である上海問屋の「iPhone4/4S/5用 ガラスパネルシート」(DNSB-18653)の登場である。脅威の1299円。いいですか1299円ですよ!ちなみに金利手数料まで負担しそうな言い方になったけど送料はメール便で210円です。
どっからどう見てもGlas.Tのパッケージごとまるパクである。もうこういうの無地ダンボール入りで売ったほうが評判いいんでないかな。エコとか適当に言っときゃなんとかなるって。
ちなみにこの製品「Glass-M」は、他の良くあるあやしいスマホグッズ屋でも売っているようで、場合によっては1,000円を切っていたりする。また上海問屋にはいくつかガラスパネルのバリエーションが有るようだが今回は
(DNSB-18653)を購入した。


さてこのゴミ安保護ガラス、そもそもどう考えても現在愛用中のUSGにすら勝るとは思えない製品であり、
じつのところわたくしもUSGという製品に不満があるわけではない。

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しかし現状にはご覧のとおり不満がある。
ガラスは所詮ガラスということ。割れる時はきっちり割れてしまうのだ。まあ後ろの本体のガラスが割れないことが第一なので、それ自体が問題というわけではないが。
USG の名誉のために言うならば、割れた原因は落としたとか自然に割れたと言うわけではない。

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ごらんのありさまに寄る負荷の一点集中、あるいはそもそも折り曲げ圧力に寄 るものである。
iPhone5がこうしてボリュームスイッチ付近を軸に湾曲してしまう問題はよく報告されていて、私も気をつけていたのだがとうとうこうなってしまった。
これではおいそれとケースや保護フィルム(特に金属製やガラス製など!)をレビューしようにも装着できなかったり破損したりして危険だ。特に保護ガラスは貼る段階から バキ割れる危険性すらある。もはや5sを購入するまで私にケースやフィルムの真っ当なレビューは許されていないのだ。なんとおそろしい。

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今の歪みきったわれわれにできるのは、
せいぜいこうして上海問屋あたりのどうでもいいゴミ安製品をむりやり付けて使用感を語る程度である。1299円なら貼ろうとした段階から割れるという屈辱的な事態になっても財布のダメージは極小で済む。済むか?同じ値段で良い保護フィルム買えるのに。しらない。タフレイヤーでも買えば済む話だったものを。



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Glas.tの模倣だけあって付属品はとても豪華だ。ホームボタンシールまでついてくる。
まあいつも通りの良くある保護ガラスそのまま。

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貼付け面と表面、双方に保護剤が貼られており、赤と青のタグで区別できる。それぞれはAとB、赤と青で区別されていてわかりやすい。とはいえどちらがどちらかを知るためにタグを観察してみる。

StepA Please peel off this mask after application
complated


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一方青側
StepB Please peel off this mask after application complated


…あれ?


StepA Please peel off this mask after application complated
StepB Please peel off this mask after application complated

エキサイト:完成した適用の後にこのマスクから皮をむいてください。
google:
アプリケーションが完成した後に、このマスクをはがしてください。


…おなじぶんめん…

どう考えても張り終えた後に剥がしてね!て注意書きなんだけど、それが両面に書いてある。いみがわからない。
これだから中国的模倣廉価商品購入不可辞。愉快すぎて途方に暮れる。英語を読める人がいなかったのか、正規品のGlas.tなどに書かれているタグを片方をそのまま丸写ししたものを両方に書いてしまったのだろう。結果としてどちらがどの面なのかわからないという惨状に。

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一縷の望みを託して説明書をみてみるけど当然AとBどちらを先に剥がすのかなどということは書いていない。
オワタ。

僕の灰色の脳細胞(凄そうに見えるけど何一つ特異的なことが示されていない表現)をフル回転させて考える。
単純に言えばA→Bの順で剥がすということになるのだが、困ったことに先に剥がすのが「粘着面(iPhone側に貼る、粘着剤がついた面)」なのか「表面(使用者側、指が触れる面)」なのかという点は業界で統一されていない。

保護ガラスや保護フィルムにはよくある両面保護材つき製品は
ふつうで考えれば粘着面を露出して貼り付け、ぐいぐいと気泡を押し出してから最後に表面側の保護を剥がすようにするのがベストなのだが、USGなどは「先に表面側を剥がし、次に粘着側を剥がして貼り付ける」旨が説明に書かれており、保護材のタグもその通りに書かれている。
つまり、前情報が無いこの製品において、Aを先に剥がすのは間違いないとしても、それが粘着面か表面なのかは判断できない。

安全な家族計画を実現するラテックス系製品ですらきょうび男性側と女性側が明記されている世の中で、あまりにも不親切ではあるまいか。いや中国製の安価製品なんてそんなもんだ。

さてこの製品の説明書をもう一度見てみよう。

手順を見ると
粘着面保護材を剥がし→貼り付け→表面保護材を剥がすという旨が書かれているのは図から見て間違いない。
となると、常識的に考えれば剥がす順番はA→Bの順であるからして、A=粘着面→B=表面ということになるのは理論上は間違いないはずだ。

これもあくまで説明やアルファベット表記が正しければという前提から考えなければならないのが中国系安物のスリル。
まあ、どちらにせよ大事なのは粘着面を不用意に露出しないことであり、表面側を間違ってiPhoneに密着させてしまっても被害はない。どちらにせよ粘着面を剥がしたということにして扱えばいいだろう。

コナンくんと金田一少年ばりの推理洞察力を発揮して以上の結論を導き出した。あとはさっさと風呂全裸モードに入って貼り付けることにしよう。


※ちなみに、割れた保護ガラスを張り替える際、破片で怪我しないように注意するのは言うまでもないが、保護ガラスはセロファンなどを用いても非常に剥がしにくく、さらには剥がす際の力の具合で容易に割れてしまう。
結局わたしは、おなじみ殻割りツールiSesamoを使って剥ぎ取ったところ非常に快適安全かつ容易に剥ぎ取れた。こういう際にも非常に有用なのでやはりiSesamoなりスクレーパーなりはオススメ。


【iSesamo】開腹・分解・修理・補修・ハンドツール【Ultimate Case Opening Tool 】 for iPod/iPhone/iPad
【iSesamo】開腹・分解・修理・補修・ハンドツール【Ultimate Case Opening Tool 】 for iPod/iPhone/iPad [エレクトロニクス]



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はれた。
結論としてはやはりA側が粘着面だった。同製品を買う時の参考にして欲しいが、いつ仕様変更されるかもわからない恐怖が中国的。

貼り付け時の感想としては、特段にUSGなどとは変わるところがない。ガラスだけあって、正しく貼れば気泡などとは縁のない、均一な接地となる。
まあ、筐体が曲がってしまっているうちのiPhoneの場合は、下側の端部に少しだけ浮きが出てしまったがこれは製品の問題ではないだろう。



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表面処理。
この安さではてっきり表面は生ガラスのままかとも思ったが、以外なことにある程度の防汚処理が施されているようで、指紋などはつきにくいし、汚れも簡単に落ちる、というかUSGと触り心地も大差ない。
強力な撥油加工やARコートなどは施されていないが、それはUSGも同じ。ガラスであることによる質感(滑らかさや冷たさ)もきっちりと感じられ、USGと全く遜色が無い。


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端部

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端部処理は、USGよりは若干カドにRが付けられてなめらかになっているような気もする。しかし「R」付きのシリーズほどは丸まっていないとも思える。手に痛いというレベルではない。
あいかわらずわずかに緑がかったガラスカラーが目立ち、好きな向きは好きだが気になる向きは気になるかも。

タッチ性能に関しては、USGなどと全く差がない。慎重に触ってためしてみると確かに裸よりは反応の閾値が下がっていることは実感できるが、普通に使っていた場合はほぼ気づかないと断言できる。
スタイラスなどでは差が出るのだろうが、普通に触る分に影響を感じたことはないので、ガラス製品は優秀である。


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丈夫さを検証する。とはいえ相変わらず書いてある硬度9Hの文字に辟易するが、言うまでもなく9Hの鉛筆でも傷はつかない。この業界は硬度9Hの鉛筆をステンレス製のけがき棒か何かとでも思っているのだろうか。

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ピンバイスなどの一般的な工具でも、スクラッチ痕などを残すにはかなり強く押し付けなければいけない。

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写真では見難いが、微細なスクラッチ跡を残すことは出来た。これも結構力を入れて押し付けたものの、光線の加減では全く見えないレベルの微細さである。

こういう、9Hとかいい加減な硬度ではないにしてもかなり硬くガラス並(ガラスです)ここらへんもUSGと同等である。


写りなどは言うまでもないだろう。高精度フィルムをすらはるかに凌ぐ、明瞭極まりない素晴らしい透過度だ。タフレイヤーなどが必死で主張するように単純な透明度はポリカより場合によっては劣るのかもしれないが、表面の均一さなど、結局の体感ではやはりガラスの透過度は別格である。たぶん単純に透過性だけでなく本体ガラスと屈折率が同じとかそういう面もあるんではなかろうか。まあそれを言うなら粘着材部分という層の影響も考えなければならないのだが。

そしてなんとなくは感じていたけど、そろそろこの結論を言わなければならない。
この上海問屋のglass-m(DNSB-18653)というやつ、じつのところ本体は無印のUSGないしGlas.tと同等品と見て間違いないはずだ。多分この保護ガラス業界、ほとんどの製品が同じようなメーカーのOEMだろうなと。少なくともガラス部材はそうではないかと思うのだ。同業他社で薄型だのRだのの横並びなバリエーションがもろもろと登場するのはそれが原因。
そして、その行き着く果てにあるのがこのglass-mという廉価品だろう。もちろんチェック体制などは全く異なるだろうから、均一な質(そして保証)を期待することは出来ないが、1299円でこれらの保護ガラスが手に入るのは安いと言わざるをえない。

結局のところ保護ガラス業界もこうして、一般的な品は廉価品と中身一緒で、指名買いする価値が有るのは一部の高級品のみということになっていくのだろう。いずれバッファローとかエレコムがこのガラスで製品出すんだろうな。先駆者たるGlas.tやUSGは別としても、OEMのダダ売りを買うならこの1299円で十分だ。

上海問屋の
glass-m(DNSB-18653)、決して廉価と侮れない、保護ガラス入門にはベストな品だと結論づけたい。

iPhone4/4S/5用 ガラスパネルシート 上海問屋 DNSB-18653 [メ06]
iPhone4/4S/5用 ガラスパネルシート 上海問屋 DNSB-18653 [メ06]



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これらはたぶん同じもの。



さて、おまけとして剥がしたUSGを使って耐久テストをしてみよう。割れてはいるが、慎重に扱えば、粘着面についたまま
分離せず一枚のシートとして扱えるので、いろいろと耐久テストで遊べる。

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まずはダイヤモンドビットを用いたルーター。いやさすがにこれは傷つくだろう。理論上はサファイアクリスタルでも傷付けられるはずのビットである。

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楽勝だった。流石にただのガラスである。

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デザインナイフなどはどうだろう。全力で力を込めればスクラッチ跡はできるが、基本的には無傷だ。カンナがけなどをしても、今日の俺はどこか上滑りしていくとゴローちゃんのようなことを言いながら無力に表面を滑っていくのみ。

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木材用ののこぎりなど、もはや格が違いすぎて汚れ一つ残らない。端部を掠めれば削り取れるだろうがそれは硬度によるものでなく引っ掻くというより破砕である。

基本的に日常的なスクラッチの脅威には無敵といって差し支えないようだ。






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そう、日常的なものに対する防御ならば…










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アバーーーーーッ!!!

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ゴウランガ!突如エントリーしたスリケンの投擲によりUSG保護ガラスは
飴細工めいて粉砕四散!
何たるワザマエか!

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銃弾によって割られたガラス的アトモスフィアのバキ割れエフェクト!ナムアミダブツ!
無敵の硬度を誇る保護ガラスも容易に粉砕するニンジャスリケン!コワイ!

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ソウカイ・ニンジャなどからスローイングされたスリケンによって真っ二つにされることがチャメシ・インシデントであるマッポーのネオ・サイタマにおいては、保護ガラスはもうちょっと頑丈なものを選んで装着することをおすすめする。備えよう。


ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上1ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上1 [単行本]
著者:ブラッドレー・ボンド
出版:エンターブレイン
(2012-09-29)

ちなみにスリケンは武装商店のおみやげで、実際ただの真鍮ですので真似してはいけません。エフェクトの正体として、万力とパチンコ球というワードがちらつきましたが、君は何も聞こえなかった。いいね?

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偽roninとともに。思えばこのケースも相当ネオ・サイタマ風味な名前である。