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ロールケーキかバームクーヘンか三方六にしか見えないこのぶったいこそがSRS-GC11iPである。道民以外わかんねえよ三方六。

○こんめいを極めるLightningアクセサリ事情


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率直に言って今最新のi機器で運用するアクセサリは冬の時代だ。DockコネクタがLightningコネクタとなったことにより、従来のアクセサリが使 えないのはもちろんだが、Lightningコネクタ自体、Dockの頃のようにお気軽ゆるゆるなアクセサリライフを許してはくれない仕様になっている。
もちろん愛しの中華安物軍団はたくましき商魂でニセLightningケーブルを量産しており、おもしろグッズも登場しつつあるものの、どれも甚だ信頼性を欠いたものばかりと言わざるをえない。

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ニセらいとにんぐケーブルの例(左)。継ぎ目がある。恐ろしいものではプリント基板だったりする。
謎のおもしろガジェットが接続できずにしょんぼり程度の話ならともかく、純正以外ではケーブルひとつとってもろくに充電同期すらできないのが現状だ。かくいう私ももはやニセケーブルは3本潰した。どれもこれも数週間持たずにウンともスンとも言わなくなる。いくら100円レベルで買えるとはいえ、あまりに不経済だ。1800円の純正ケーブルを買うべきなのだが、ちょっと釈然としない。

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microUSBアダプタ
純正ではこういうものもあって、これを使えば光るケーブルでもぐねぐねスタンドになるケーブルでも、おおよそ世にあるおもしろケーブルは使い放題だ。だがやはりこれだけでケーブルと変わらない値段がするのがまた釈然としない。多摩電子が microUSB→Lightning 変換アダプタ を1300円程度で売っておりMFi認証も通っているがそれでも安くはない。

結局のところ充電ポイントを一個増やすには2000円ものコストがかかってしまうわけだ。しかもそれで手に入るのは充電ケーブルでしかなく、スタンドやドックもなければ素敵機能もない。幸いACアダプタにまで純正品が求められるようなことはないとはいえ、すべて揃えると3000円近くにまでなるのではないか。

また、Lightningには目下、ドックスタンドというジャンルの商品が存在しない。旧来のApple Universal Dockに値する純正品が存在しないのだ。厳密に言えばBelkinのiPhone5 対応 ドックスタンドを始めとする商品は存在するが、これらは単にプラスチックの板に穴を開けてケーブル(MFi認証もしくは純正)を通すだけという噴飯ものの商品であるため、無いものとして扱いたい。

ちなみにDock-Lightning変換アダプタなるものもあり、4s以前のi機器で用いていたような何らかの信号や音声の入出力など、ちょっと込み入った事を実現する機器も今までどおり運用できるが、これも2800円と躊躇不可避なお値段。それにアダプタ概要に粗大なのでスタンドに刺すのも不安だしケースもほとんどが使えない。

だとすると、どうせ3000円出すならいっそもっと追加して専用アイテムを買ったほうが良くないだろうか?
という、物欲に溺れるクズ特有のポジティブ思考でたどり着いたのが、今回購入したSRS-GC11IPとなる。

○SRS-GC11IPとは

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もうちょっと名前をどうにかした方がいいとも思うが、同製品はLightning端子を搭載したアラームクロックである。
特徴的な三方六型のフォルムに大径モノラルスピーカーと大型のセグメント式時刻表示液晶を搭載。Lightning端子に接続したiPhoneを充電しつつ、専用アプリによる連携も実現している。

いち時代を知る者にとってなんとも壮絶なことに、「Lightning端子を搭載したスピーカードック」を販売した第3の、国内では第1のメーカーはSONYということになった。
それも、Appleの音響機器部門に成り下がっている感のあるJBLとBOSEの後であり、発表されているうちでは次に出るのはB&Wくらいしかないのだから面白い。もはや日本においてもi機器アクセサリの最有力プレーヤーの一人がSONYであることは疑いないだろう。言うまでもなくWalkman用も併せて販売されるとはいえ、MFi認証どころかiOSアプリ連携まで実現した機器がさっとSONYから登場することはまさに隔世の感。

上記2社は異様に高い価格設定を掲げることも特徴である。(JBLやBOSEはともかく高級オーディオ専業メーカーB&W相手にそれを言うのは野暮だ)しかしSONYの製品群は比較的まっとうな価格で入手できる。
このSRS-GC11IPも目下6000円程度の実売価格であり、充電ドックと目覚まし時計と割とおいしそうなデザインでこの価格は安くはないが決して非常識な類ではないと思う。(と言い訳を垂れるダメ人間

○アンボックス



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この手のSONYの製品買うのも実は久々であるのだが、それでもいつものSONYらしいといえるパッケージング。良くも悪くも。

感心したのはACアダプタやAMアンテナがきちんと白である点。どうせ製品本体は真っ白けでも、1接点外側は無神経な黒プラスチックで埋まっているという予想はいい方に裏切られた。

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ていうか白かどうかよりそもそもAMアンテナが付いていることにビビるべきだろうか。そういえばこの製品、忘れていたけどラジオもついていた。

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赤外線式リモコン


○ロールケーキ的外観



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丸い!イメージよりは実は小さめである。大きめのロールケーキ程度。
全体的にツヤツヤプラスチックで、高級ではないが安っぽさはない。


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両側面にはクリームの代わりに操作系が揃っている。ボタンだらけで煩雑だが、ここらへんの操作はリモコンやアプリを介することになるのでツッコミは穏やかにしておく。
左右でアラームA、Bとなっているのはわかりやすい。


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こういうシール、日本家電界はいい加減卒業できないものなのかな。


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接続端子はAC電源と外部入力とAMラジオアンテナ端子のみ。
USB端子はないのでPC同期は不可能で、置き時計用途とはいえ電池駆動も不可能な点は注意したい。


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底面。当然ロールケーキ状とはいえ全て丸いわけではなく、4つのゴム足はきっちりと地面をホールドする。下には停電時用のリチウムバッテリーが搭載されている。


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上部ハッチ(大げさ)。意外とiPhoneドック製品でこの手のギミックを搭載するものは多いので、よくわからない需要があるのかもしれない。


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コネクタ部まわりは細めのガイドが付いている形状。コネクタは基部を軸に円運動でスイングする。


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高級感はないものの、この形状とディティールはなかなかにキュートで秀逸。
しかしこの形状はどこかでみたような。そう、ソニーのスピーカーと言えば何かを思い起こさせる。遠く果てしないソニー遺伝子の片隅にその記憶を留める「あいつ」、仮にソニー10大誰得製品を挙げるとすれば、有力候補筆頭であろうあいつのことを思い出さないでもない。

○目覚まし時計



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単体の目覚まし時計としてみた場合、さほど特筆すべきことはない。ラジオやスヌーズのついたちょっと良い目覚まし時計である。アラームの設定は曜日ごとでなく全日・平日・土日で、AB2パターンのセットが登録できる。


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最低輝度

時計部分の明るさは4段階で変更できるが、液晶は最も暗い段階で全く光を放たない消灯にすることができ、また2段階目は真っ暗闇でも相当に暗く、4段階目でもさほど目に刺さるタイプの光ではない。安くはない目覚まし時計としての本領はわきまえている。


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視野角もなかなかに広い。
今時のデジタル目覚まし時計は本気で視野角が狭くて嫌になる。置き時計の分際で朝の眠い時に時計の正面以外から時間が見えなくてどうするというのか。ただでさえ携帯電話にお株を奪われているのだから、そこのコストをかけずにどうやって生き残る気なのか。


○パイルダー・オンと専用アプリ「D-sappli」



やはりこれの真価はiPhoneを接続することに有る。さっそく上部ハッチを開放し(大げさ)iPhoneをパイルダー・オンする。

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がっしいいいいん!
コネクタがスイングするので片手でさっと装着可能。
丸い形状とはいえ土台はしっかり作ってあり、相応に重量もあるので安定感は良い。
無理があるのは承知だが、装着したiPhoneを持ち上げてLightning端子が外れるほどの重さだと朝の忙しい時間にはなお良かったろうが、置き場所によっては逆に寝ている側が危険か。慣れれば手首の横を使って片手で引きぬくことは可能。

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これで当然ながらiPhoneに充電がされ、iPhoneからの音声はSRS-GC11iPから出力される。


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専用アプリであるD-sappliアプリを入れろと警告が出てくるので、それに従ってインストール。
言うまでもなくアプリを入れなくても充電と音声出力は可能であり、アラームもiPhone内の音楽と連携をさせなければ動作するが、このアプリを使っての連携にはいくつか強力なものが存在するのでインストールしておくべき。


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時計表示がされる。アナログ表示などにカスタマイズ可能
D-sappliの特筆すべき機能は以下。


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1:iPhone側からのコントロール
アラームや日付、ラジオの周波数、時刻設定などが、ボタン連打より多少は文化的な、タッチパネルとキーボードとスライダー操作で行える。逆に言えばそれしかできないが、さらに言えば本体にそれ以外の機能など無い。24時間表示切替(スヌーズボタンとアラームリセット同時押し2秒)などアプリ側からできるのが普通ではないかと思うが、そういう機能もない。


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2:アラーム用の専用プレイリスト
SRS-GC11iPは当然、接続したiPhone内の音源をアラーム音に用いることができる。(繋がない場合はそっけないピピピという電子音かラジオ音源になる)
気の利かないiPod対応製品の場合、その「再生する音源」は融通の効かない着信音やアラーム音、またはすべての曲からランダム再生などになってしまう。(シトロエンC3のiPod接続機能などもコレ)
SRS-GC11iPはその点、「アラーム時に再生する専用プレイリスト」を作成して再生するというなかなか強力な機能を備える。
もちろんアラームAとBでそれぞれ別のプレイリストを構築でき、果ては音量まで都度設定できるので、自由度はかなり高い。


3:タイマー機能
ミュージックタイマーとスリープタイマーを搭載する。
指定時間が過ぎると再生を止めたりするアレである

4:iPhoneとの時刻同期
地味に強力な機能。iPhone側で取得した時刻をSRS-GC11iPに送信、反映できる。
初期の頃はプロトコルなどの関係上今ひとつ信用できなかったiPhoneのネットワーク経由の時刻取得だが、今や信頼性に全く問題ないレベルになっているので、電波補正機能などがなくても常に正確な時刻を表示しておける。
設定しておけばD-Sappliさえ開いていれば接続しただけで補正が完了する。

逆に言えばアプリが開いていなければ(バックグラウンドも不可)時刻同期は行われない。
専用アプリなのだから刺した時点で勝手に立ち上がりそうなものだが、残念ながらそういう仕様は確認できず。ロジテックのワンセグジャケットは刺すと専用アプリが勝手に立ち上がったので、仕様上不可能ではないはずだ。


また、D-Sappliとは関係ないが本体からiPhoneの曲送りと再生停止ができる。


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またリモコンからは上下ボタンを使用し、ミュージックアプリでの曲選択までできる。AUX出力のようなものとなるため、ボリュームはSRS-GC11iP側で一括して操作する。「スリープ」「音声入力」という、iPhone連携を思い浮かべてしまうような魅惑のボタンがあるが、これはスリープタイマーと入力ソースの切り替えである。もうちょっと色々連携できても良いと思う。


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ところでドックスタンド系製品で、接続時に気になるのがケースとの干渉。
基本的にはケースは引っかかる。しかしガイドの形状が細いので、下部全面にわたって肉抜きしてあるケースなどはほとんど問題なく装着できる。底面からの厚さが6mm以上になると底部と接触して装着できなくなってくるが、Cleave(偽)等一部を除けば少数派だろう。


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Sector5(偽)をはめようとする。コレは形状の関係で干渉してしまうが…。


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はいはい。なんとなくもうわかってたよ。


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ガイド部分が薄いので、比較的容易に切り欠くことができた。薄さはクリアしているが形状的に不可能なケースなどの場合、自分で削ることができるならばほぼどんなケースでも使えることになる。


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ぴったり

しかしこうやって幾分ケース付きへの配慮が見られるSONYとくらべて、JBLやBOSEなど絶対にケース付きiPhoneなんか刺させてやるものかと言わんばかりの作りはなんと傲慢なことか。彼らはどうやら自分らの顧客をケースにはびた一文出さないユーザーばかりだと思っているようだが、割高なスピーカーと充電台には数万円の金をポンポン払うがケースは付けない、なんて言う奇特なユーザーがどれだけ居るというのか。
iPhoneのケースは世界的にも、もはや保護の意味を離れてユーザーのファッションなど自己表現と化しているわけで、JBLのスピーカーを選ぶほどスタイリッシュ()なユーザーでもケースはやっぱり何かしらつけているものだ。彼らはいちいちケースを外さなければスピーカーに繋ぐことすらできない不便を享受しているのだ

そういう細かいことを気にしない、音楽用の使い潰しiPodTouchを取り出して指しておくような太っ腹ユーザーはそもそも彼らの本来の顧客ではないと思う。B&Wならまだしも。
ElementCaseをはじめ、分厚いアルミケースは今や多数出ていて着脱が面倒なものも多い。今後のドックスタンド製品に必要な物はケースを選ばない柔軟な装着性に有るはずだ。

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ところでiPhone/iPodTouchだけでなくLightningコネクタ方式のiPodも接続できるはずだが、その場合のプレイリスト再生などがどうなるのかは不明。さらにD-sappliアプリ自体はiPadにもきちんと対応しているが、iPadを接続できる形状のスピーカーがSRS-GM7IPNしか存在しない。ちょっとだけ筐体を削り取れば接続できないことも無さそうだが、どういうことになるのかは不明だ。案外何の問題もなく動くだけかもしれないが。

○音について



スピーカーのレビューで音について触れないのも困るので触れておく。
まず、この製品のスピーカーはステレオでなく、モノラルである。モノラルステレオかで人間の価値が決まるわけではないと偉い大佐も仰ってはいたものの、実際に目にするとショックだ。

冗談はおいておいても、そもそもこのサイズのスピーカー(と左右の距離)ではステレオなど無意味といっていい。モバイル機器もステレオを謳ったものがよくあるが、自分の両耳の間より狭い空間で音が左右に分かれているからなんだというのか。耳をそばだててあっ2つ鳴ってる鳴ってると認識できるレベルでしか無い。
このサイズと価格ならばむしろスピーカーのサイズと能率を稼ぐ方に注力すべきだ。戦いは数だとは言うが、音質はスピーカーの質であり大きさである。小惑星基地攻防戦などよりも遥かに脳筋でシンプルな構図がそこに有る。
ソニーは音響メーカーとしても間違いなく重鎮であり、ここらへんのバランスは想定した上でモノラルを選んでいるはずだ。「音の出る家電」屋とはわけが違う。

実際に聞いてみると、5000円クラスの据え置きのスピーカーとして全く過不足なく、むしろきっちりと鳴っている。中~低音の持ち上げがちょっと過剰で高音はおざなりだが、なにせこのサイズの5000円台だと考えると想像以上に良い。
もっと踏み込んで考えるとこの製品の本領は目覚まし時計である。目覚まし時計がここまで音質が良かったら相当なものだ。ボリューム0→1で唐突に音が大きくなってMAXまで緩やか、みたいな安っぽいハッタリとも無縁で、ちゃんと小さい音から大きい音までリニアに出るし、MAXの音量30だと相応に騒々しい。目覚ましとしても、きっちり鳴ってくれるのは美徳だ。目覚めの音は睡眠の質に影響するとも言う。物理的にベルを叩き鳴らすヒステリックな音や、味気ないぴろぴろデジタル音でない、それないにきちんと鳴る音響での目覚めは快適だろう。

Lightning端子ではDACやAUX出力が廃止されているため、SRS-GC11iP内部のDACを用いているはずだ。すなわちソニー側が音源を好き勝手に味付けできる。完成度の高いサウンドはそこら辺にも理由があるのだろう。

○ふまん



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いくつか不満な点を上げると、まずは専用アプリD-Sappliの出来
操作性や基本部分の作りは、不満のない及第点レベルだが、せっかくiPhoneという(目覚まし時計からすれば)超ハイスペックな頭脳を持っているのにコレができない、という不満が数多い。
アラームはABの2種類しか設定できないし、しかも曜日設定はiPhoneを介しても平日、週末、全日の3パターンのみ。時計デザインもプリセットから選ぶだけで背景やスライドショー一つ設定できない。

何より前述通り接続とアプリ起動が連動しないのは甚だ手痛い。目覚ましはアプリがなくとも動作するが、起動していないと時刻同期が効かない上に、アプリ内でアラーム設定したプレイリストも再生されない
ココらへんの動作はちょっと特殊で、D-Sappliが起動していない(BG動作でも)場合にアラーム時刻が来ると、とりあえずその時ミュージックアプリで一時停止されている音楽が再生されだす。ミュージックがBG動作すらしていない場合、なんとデフォルトの電子音が鳴るだけで終わる。
ついうっかりアプリを起動し忘れると、目覚めが貧相な電子音のみに託される危険があり、少々危険が伴う。
細かい動作にはそもそも接続とアプリ制御の制限が多々あるのだろうとは思うが、だからこそ接続後自動アプリ起動は絶対に必要だったと思う。

D-Sappliが不満ならばアラームはiPhone側で賄うという手もある。そちらのほうがよっぽど高機能だ。ただ、iPhoneのデフォルトアラームはiPhoneのスピーカーから鳴るようになっており、SRS-GC11iP側を通してくれない。こうなるといよいよただの丸く粗大な充電スタンド(時計付き)に成り果てるが、iPhoneのアラーム音もそう小さいものではないためこれはこれでいいかもしれない。
サードパーティの高機能なアラームを用いる手もあり、これなら音声はすべてSRS-GC11iPを通して出してくれるのだが、これもご存知のように「アプリを起動しておく」必要があり、それを忘れたまま寝てしまうと、通知が一つ来る程度で終わる。こちらのほうがよっぽど危険だ。
ベッド周りの悲劇などほとんどが寝ボケと眠気による異常によって引き起こされている。今にも寝てしまいそうな状態でここらへんのアプリ環境をきっちり起動したままスピーカーに刺す余裕など無い。
たしかにOSの制限でクリアできない点もあるだろうが、できることはやってほしい。

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○まとめ



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良い
・デザインと質感
・Lightning端子
・比較的低価格
・ケース装着車にも比較的優しいスタンド
・想像以上に良い音質
・自在な選曲が可能なアラーム

悪い
・曜日指定の不足、アラーム数の少なさなど、目覚まし機能の全般的な足りなさ
・アプリ連携の雑多な問題点

まず、寝床周りの充電環境にお困りの方はケーブルとACアダプタと謎スタンドを買う金で絶対にこちらを買うべきである。スピーカーや連携目覚ましが不要という方ですら価格と内容を考えると一考の価値は有る。いずれ非認証のLightningグッズも相応にクオリティが上がって信頼性を得ていくのだろうが、それを待つ間はコレを使えばいいとおもう。
時計や目覚ましやスピーカー自体クオリティは及第点ではあるので、有効に活用できるケースは多いはずだ。

一方、高機能な目覚まし時計を期待するとそれなりに裏切られる結果となる。連携がお粗末で、機能もiPhoneと比べると足りなすぎる。
まあ、機能がないとか謎動作が有るとかそれ自体はさほど重要な問題ではないのだけど、問題は開発陣の姿勢から、日常における目覚まし時計の信頼性の重大さをまるでわかっていない雰囲気を感じることだ。
目覚まし時計にかぎらず寝床の周りというのは、多くの人間の生活の上 で最もフールプルーフが求められるシーンのはずである。眠さが限界だったり寝ぼけて前後不覚だったりする人間が手間取ったりドジを踏むようなしくみがあってはならないのだ。
眠い人間はボケ老人よりも信用ならないし、目覚ましに失敗すると生活に重大な影響を及ぼす。機械の方で万全にセーフティを張ってくれなければ、どんなに崇高で素晴らしい機能も全く役に立たなくなる。精神論や機械様理論でなく、真に人間のいいかげんさをサポートしてくれる機械こそが良い機械であり今後主流となる機械だ。

極論を言えばiPhoneをいじったまま寝てしまってSRS-GC11iPに接続できなくても、接続時と全く同じように動作して欲しいくらいなのだ。流石に音源の権利などの絡みから不可能ではあるだろうが。電子音は鳴ってくれるのでまだ救いは有る。
そこまでは望まないので、どうか接続と同時にアプリが起動するか、BG動作でも変わらずに動いてほしいものである。

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○さいごに



携帯電話が目覚まし時計の立場を奪いつつあって久しいが、目覚まし時計業界がそれに対してどういう製品を出しているのかを見渡してみれば暗澹たるものである。携帯電話に対するアドバンテージなどまるで考えていない。大音量アラームやメガネを掛けなくても見やすい大きさの表示など、携帯電話では不可能なウリがあるはずだがほとんど生かしきれていない。高級感やデザインとも縁遠い。いずれ100円均一レベルの製品に駆逐される業界だと確信できる。
もし目覚まし時計が最も手軽に携帯電話に対抗できる手段があるとすれば、この製品のように携帯電話との連携を前提にすることだと思われる。いっそ、単に充電スタンドとなるだけでも相当に受け入れられるはずだ。
ただし何度もいうが目覚まし時計の真価はどれだけ眠い人間からの信頼性を担保できるかにある。昨今の目覚まし時計界は、その前提すら忘れかけているように見えてならない。
たかだか目覚まし時計と侮る無かれ。私のように寝付きも寝起きも悪い人間には死活問題となるのだ


SONY iPod/iPhone用 ドックスピーカー GC11IP SRS-GC11IP/WSONY iPod/iPhone用 ドックスピーカー GC11IP SRS-GC11IP/W [エレクトロニクス]
商標:ソニー
(2013-04-20)


ちなみにWalkman用の同モデルには黒があるが、iPhone用のこちらは日本では白しか売ってない。
海外では「iPod and iPhone Dock Clock Radio ICF-C11IP/BLK」として黒が展開されている。iPhone本体の色が黒ならこちらを輸入するのもいいかと思う(手間暇に合うものとは到底思えないが)