スマホ保護業界においてはすっかり保護ガラスという存在がメジャーになってきた感がある。だからどんな業界だよ。
ガラスにガラスを貼るという行為が歴史の色物として消えなかったのは、GLAS.tなどの先達がその色物要素だけで勝負したのでなく、まじめに品質、性能ともに素晴らしく水準の高いものを用意したおかげだろう
単純にガラスだからどうこうではなく、厚さ重さ値段の高さと引き換えではあるものの、スクラッチ傷フリーともいえる頑丈さ、プラ素材にはなし得ない肌触り、すばらしい透明度を得た保護「フィルム」として今後も一定の需要が見込まれるジャンルになった感がある。

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その様子を柱の影から、クリーニングクロスを噛み締めながら睨みつける謎の影が…!
日本の保護フィルム業界の雄、マイクロソリューションは黙ってはいなかった!
この新興勢力ひしめく保護ガラス業界に参戦する武器は、まさかのプラスチック!新製品「PRO GUARD TL (Tough Layer)」の登場だ!

ARやSH、透過性や精度をウリとするプロガードにとって、衝撃保護性能は言わば泣き所の一つ。それなりの厚さと頑丈さである程度の衝撃保護性を持っている他フィルムと比べると、薄く透過率が高いことが仇となっている形。さらには保護ガラスはその分厚さと硬さ、割れやすさでもって本体ガラスの保護性能はかなり高い(とされる)。
プロガードらしい表面処理とこだわりの高精度、同時に強固な耐衝撃性を兼ね備えた新たなプロガードのフラグシップが、このPRO GUARD TL (Tough Layer)なのである。

さて、具体的にはどのようなものなのかマイクロソリューションのサイトの標記から見て行きたい。

フィルムに変わりガラスメディアなど様々な強固な物が発売され、とても丈夫になりましたが、質量が有る、光の屈折があり目の疲れにつながり、厚みもあり目立つ、割れずともひびがが入るなどデメリットも多い。

純国産プロダクトを標榜するマイクロソリューションの日本語がちょっと不安になるくらいおかしいのはいつものことだが、
「ガラスメディア」とヘンテコな呼称でもって、ガラス系製品に対する対抗心をむき出しに。企業間プロレスはとても頼もしいと思う。
しかしどっかの差別主義団体とかでも、
国粋主義的な主張しながらプラカードの日本語が狂ってる例があるけど、なんだろうね。そういうのの特徴なのかね。
単にマイクロソリューションは素朴にいいものを作ってる会社であって欲しいのだけど。
こんなご時世だし、文面からたまにふらっとそういう方向に傾倒しそうな危うさがかいま見えてハラハラする。考え過ぎか。

耐衝撃性はガラスメディアと同等かそれ以上
ガラスを上回る透明度の全光線透過率97%に加え低複屈折

再三に渡り言及されるガラス比。そんなに気にするならあんたんとこも保護ガラス作れよと言いたくなってくるのは内緒。


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確かに分厚い。

ガラスよりは薄いが保護フィルムよりは厚い。

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表面は特段、ARコートなどは施されていないように見える。残念な点だ。

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クリーニングクロス、ゴミ取りシールなど、いつもどおりの付属品。

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フィルムは裏面用も付属。

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以前のARSH付属の裏面フィルムとは多少処理が異なっている。右がTough Layer付属のもので、若干サラサラしている。

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アンチグレアというほどのことはない。

貼り付けはこの際省略である。保護ガラスよりも柔らかく曲げることが出来るため、一発で位置決めをする必要がない。とはいえ多少の話であって折り曲げることはできないため通常の保護フィルムよりは確かに難度が高い。離型シートが
2分割式であるため、助けにはなる。


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はれた。
正直このような保護フィルムレビューとはいえ、ほとんどの場合裸と区別がつかない写真を見せても意味が無いと思う。


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横から見ると厚さははっきりとわかる。


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上がARSH、下がTL。わかりにくい写真だが、厚くなっているのは何とか見て取れると思う


さて一般的なフィルムと比べての使い勝手だが、良い意味でも悪い意味でも差がない。厚く丈夫になったとはいえ実態は今までの樹脂フィルムであり、ハイドロフォビックコートによって極めて指滑りなめらかではありつつも若干ビニール感が拭えない手触りや、樹脂なりの端部の質感なども「厚めのプロガード」というまさにそのものズバリだ。
逆に厚さによるデメリットもほとんどなく、反応が鈍ったり液晶の視認を阻害することもない。むしろ液晶はプロガードよりも綺麗に見える気すらする。ARコートの有無によるものか、厚みによる素材の透過性の違いかは不明だが。ホームボタンも多少は引っかかりを覚えるがそれだけのことで、押しにくさとは無縁。

一週間ほど使ってみたが、傷のつきやすさはプロガードと一線を画するのは間違いないようだ。再三再四言うようにプロガードは他社フィルムと比べても傷がつきやすいフィルムで、気を使わず一週間使えば些細なスクラッチ跡ができるのは避けられなかった。クリーニングクロスなどに付着した些細な粒子でも押し付けるとスルスルと傷が入ってしまう。
しかしこのTough Layerはさすがに名前通りタフだ。4Hを公称する表面は、一週間の使用でもほぼ無傷を保っており、考えなしにクリーニングクロスで強めに拭いた程度では傷ひとつつかなかった。
耐衝撃性などは言うまでもなくプロガードより高いのであろうが、それを試す勇気はない。公式の動画を参照すればある程度は防御力が高いのだろう。(でも割れてる)
プロガードばかり使っている私は前のiPad 3rdを簡単に割ってしまった苦い経験を持つ。今度はそうならないことを祈る。

というわけでTough Layerはプロガードの従来の弱点を潰し、昨今の保護ガラスブームに対するマイクロソリューションからの、「らしい」回答だと言える。値段についても、買うのになかなか勇気がいる保護ガラスの価格帯と比べて、フィルムと遜色のない使い潰しの効く値段だ。
保護ガラスも耐久性はあるが耐衝撃性はさほどでもないし、コストを考えるとフィルムに劣る面が多々ある。
実際僕のUSGは既にヒビが入っております。
Tough Layerはガラスの質感や手触り、高級感などは持たないが、保護性能や耐久性を重視する層にも希求する、なかなか良い差別化を果たした製品だといえる。

まあ実のところ、ラグジュアリーでドレスアップ要素の強い保護ガラスと質実剛健の保護フィルム、値段も倍以上違うとなれば明確に住み分けが出来そうであり、フィルム専業メーカーがガラス側に対しプラスチックという奇手でもって参戦する必要があるかは疑問に思える。
というかガラスを敵対視しなくても、プロガードの高耐久型というくくりで十分ニーズはあると思う。

とは言え結局はiPhoneの画面上という、文字通り同じ盤面でしのぎを削る間柄であり、その盤面はたとえばiPhone5なら国内で
200万程度「しか」無い。広いパイを確保するには住み分けなどと悠長な話をしていられないだろう。
保護ガラスはGLAS.t等によって、ドレスアップやラグジュアリーという性格だけでなくその性能や有用性も既に広く知られるとおりである。iPhoneという製品のキャラクターも、どちらかと言うと使い捨て質実剛健フィルムよりはきらびやかなガラスに向いている
今やiPhoneの液晶保護において有力プレイヤーとなったマイクロソリューションとしても、なんとしても一手を入れておかなければならなくなったということだろう。その回答がプラスチック板であり、高耐久化だったというのが同社らしいといえばらしい。


残念なのはお得意のARコートが施されておらず、若干反射が気になる点。ARコート、防汚コートの能力と高品質の点を持ってプロガードを愛用してきた自分にはちょっと痛い。
保護ガラス製品でも、強力なARコートを謳っているものは見る限り無いようだし、やはり高耐久性とARコートの両立は鬼門なのだろうか。


ところで最後に、一点気になる標記をマイクロソリューションサイトから引用する。

  • 表面特性「鉛筆硬度4H以上の高い表面硬度」  ※各社計測に基準がなくほぼマックスの9H表記となっておりますが、同条件で計測した結果で9Hの物は一切有りませんでした。

赤字にまでして、ちょっとおどろくべきことが書いてある。各社の9H標記のものの中に9Hのものがないというのだ。

…ううん?

ここでの「各社の9H表記の製品」とは、言うまでもなく保護ガラス製品を指すはずだ。流石にビニール系保護フィルムで9Hを謳っているものは見たことがない。

では世の保護ガラスは実は9Hではなかったという意味か。


USGの記事でも書いたとおり、「9H」とはモース硬度でもなければビッカース硬度でもない。その硬さの鉛筆で引っ掻いて傷が付くかどうかの指標だ。かなりアバウトで、そもそも硬度とは言うが本来は塗膜の強度を図る数値である。


「車のフロントガラスが5H」などという素っ頓狂を書いてる物も見たが、さすがにそれはどう考えてもモース硬度の勘違いか、何らかのコーティング塗膜の話。ガラスのモース硬度は5~6程度である。対して硬度9Hは換算するとモース硬度4に満たない。

「各社計測に基準がなくほぼマックスの9H表記」となっているのも当たり前で、どんな粗野なガラスでも9Hは達成できる。

が、その保護ガラスが9Hでなかったという点は簡単にいえば「鉛筆でガラスを傷つけることに成功した」と書いてあるのと一緒だ。そんなことがあり得るのか。


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考えていても仕方ないので、ちょっと大きい画材屋を訪れてわざわざ買ってきた。9Hと6Hと4Hの鉛筆である。一応JIS規格で定義された塗膜強度試験の基準が一本150円程度で手に入るというのもお手軽な話だ。


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まず9Hなる硬度がいかなるものかを見てみる。モース硬度2.5のウレキサイトと、同じく4の蛍石を用意した。何度も言うがなぜこんなものを所持しているのかは聞かないでほしい。


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テレビ石というやつだ。もう経年劣化でだいぶ曇ってしまった。


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このように(わかりにくいが)硬度2.5は削ることができ、4には傷ひとつつかなかった。9Hは2.5と4の間であることが確認できる。

さらっと書いているが冷静に考えるとこれはともすれば真鍮や大理石に傷を入れられる硬さである。ヤバイ。9Hこわい。


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ちなみにアルミというのも実はモース硬度で言えば2.5程度と柔らかい部類の金属なので、HBでは無理だが4H程度の鉛筆なら頑張れば傷はつくし9Hならばやすやすと刻印を入れられる。4H塗膜というのはアルミより傷つきにくいことになるわけだ。


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さて、ここにありますは9Hを全面に押し出してるUSGの保護ガラスにござい。これをこの9Hの鉛筆で突けばどうなるか。なにやら世紀の対決じみてきた。中国の故事では俺は黙って帰らねばならないし、星新一のSFでは俺もろとも消し飛ぶことになるし、テレビ番組なら名刺交換を見守らねばならない。


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そんな時間もないのでとりあえず渾身の力をもって鉛筆をおしつけて擦りつけてみた。おらっしゃあああああああ!


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まず何が凄いって鉛筆の芯が折れねえの。結構体重かけてよっこいしょとこすりつけているのに全く折れやしない。9Hは伊達ではない。

だが流石にガラスであった。当然のことにも思えるが、9Hの鉛筆では9Hを謳う保護ガラスに全く傷を付けられなかった。




えっ

じゃいったいマイクロソリューションはどのような実験をしたのだろうか?


正直な話、ガラスであっても表面のコーティングはガラスほどに強いわけでないため、コーティング部分は4H程度でも傷が付くかもしれないと思っていた。しかしそれでもつかなかった。

コーティングと言ったって今やべたべた塗料を塗るわけでもないだろう。焼付け塗装なり何なりで軽々と9Hを突破するコーティングはいくらでもある。


一体いかなる手段で「9H」でガラスに傷をつけたのか。まさか「鉛筆硬度試験で9H」と自分で書いておいてコランダム(モース硬度9)の欠片を片手に、他社の保護ガラスお歴々に傷を付け回る奇行に走ったわけでもあるまい。

USG以外の9H表記ガラスという意味だろうか。9H表記の先駆けとも言えるUSGをスルーするとも考えにくいのだが。


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さてそんなマイクロソリューション様の「4H以上」表記されたProguard TL。当然4Hの鉛筆くらいは跳ね返してくれるんだろうね?



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だらっしゃあああああああああ!


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なんとなく跡が残ったようだが、たしかに傷はつかないようだ。


なんだか?な結果になったが、とりあえず他社の言うことだからって正確な批判になっているとは限らないということは言えそうだ。

それに硬度がどうのこうのというが、サファイアガラスを利用した高級腕時計の風防だとて、傷つくときは簡単に傷つく。あまり硬度なんて気にしないのが一番正解であるような気がしてきた。



というわけでプロガードTL(ToughLayer)、保護ガラスを買うほどの金はかけないがいつものシートでは不安という方は検討に値する。

マイクロソリューションのことだから、きっといずれはARコートも施してくれると期待しているのだが(チラッチラッ)ARコートが不要な方は現段階でもきちんと仕事してくれる良い保護フィルムだと思う。



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商標:マイクロソリューション Micro Solution Inc.








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商標:学校教材の専門店 美工社







ついでにご自宅で硬度試験ができる10H~10Bまでのセットを貼っておく。従来の鉛筆の硬度幅を上回る10Hや7~10Bも封入。

いくら鉛筆画を専門にする方でもここまで必要とする人間が果たしてどれほど居るやら。私のような文具フェチは垂涎ですけども。