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おおアルカンターラ!魅惑の高級車御用達の人工皮革よ!クルマ好きならみな憧れるアルカンターラ内装!on iPhone5!アモーレ!
なんとかイタリアっぽいテンションを保ってみたけど、実際のところアルカンターラとは、日本の東レが開発した人工皮革「エクセーヌ」のことです。東レがイタリアの会社と合併して現地やクルマ業界向けに売ってるエクセーヌのことをアルカンターラと言います。アメリカ向けに売ってるのがウルトラスエードです。

人工皮革、特にエクセーヌほど人類が技術を以って自然の産物に勝利した例を寡聞にして知らない。超微細繊維を加工して作り上げられたこの人工皮革は、本物の革を様々な点で上回る。耐久性、耐候性にすぐれ、洗えるほど丈夫で高級感も高い。実際もはやそこらの単なる本革よりもエクセーヌのほうが高価だったりする。ブランド料ではなく本当にそれだけのコストが掛けられている高級繊維なのだ。

今や自動車内装においても「高級感の演出のために」用いられるエクセーヌ(=アルカンターラ)、言わば日本の技術力とイタリアンなセンスのタッグにより、「安価な量産品」ではなく「高級ブランドとして」世界を征服してしまった、これぞ理想のクールジャパンと言わずしてなんというかというくらいのシロモノなのだけど、アルカンターラはイタリア製で羊かなんかの毛皮だと思ってる人もいたりして、嘆かわしい限りだ。人工皮革で言えば、さらにラ・ムースやクラリーノという同じく高級人工スエードもあるが、これまた日本製(旭化成せんい、クラレ)だ。高級インテリアやファッションなどにも、もはや欠かせない素材としての地位を保っている。
外国人に日本を褒め称えさせてホルホルするようなTVを見てる暇があるならちゃんとした日本の産業を知っていただきたい。謙虚さも向上心も欠いて何が残ろうというのだ。

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どさっと。
さて今回はエクセーヌを入手して、それを切ってiPhoneのバックプレートにしてみようと思う。

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Sector5(偽)の背面には布のバックプレートが付いていることは前回書いた。これ、本物のSector5を調べてみると「ウルトラスエード製バックプレート」とかいてある。すなわちエクセーヌである。
流石にニセモノにこんな高級素材を使うまいとも思うが、それほど手触りは悪くなかったりする。
裏面に布を貼るというのは、最初は完全に馬鹿にしていたのだけど実際やってみたらかなり気に入った。手触りがいい。それにこの寒空の下でiPhoneをいじる際も冷たさが多少和らぐ。

実のところ「エクセーヌ張りのiPhoneケース」は3Gの時にバード電子から発売されていたりする。4以降の後継品がないところを見るとあまり評判が良くなかったのか。


せっかくならこの早速毛羽立ってきた「ウルトラスエード製」のパチモノプレートでなくちゃんとした布を貼りたいなーと思い、『バックプレート程度なら自分で切って両面テープで貼り付ければいいのだから簡単だろう』と失敗フラグをビンビンに立てながらエクセーヌ生地を注文した次第。

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とはいえ、今回買ったのはアウトレット品だ。じつは本当にエクセーヌかどうかもちょっとだけ疑っている。
布百選にて、1mで2900円。

これでも生地としてかなり高級な部類だと思うがアウトレットだ。本来ならば色を指定し特定の生地を注文した場合、1m8000~12000円程度という卒倒しそうなプライスタグを掲げている。天蚕だのカシミヤだのじゃない人工繊維だというのに。世界が認める高級生地は伊達じゃない。

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うらめん。
厚さ1mm。


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手順としては、本来この手の布細工ならば型紙を切って、というところから始めるところなのだが、実際のところ対象は単なる板切れに貼る布10cm四方より小さい程度。それも布地はかなり分厚く頑丈なエクセーヌである。
おおまかにズバッと切って細かく調整していく手順のほうがおそらく最も妥当策とおもわれる。
貼り付けは両面テープだが、言うまでもなく直接iPhone5本体に貼り付けるのでなく、何らかの保護フィルムを貼った上から貼りつけたほうが無難である。剥がしたあとにベタベタになってはたまらない。
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さらっと完了。カメラ穴に苦労のあとがかいま見える。


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あとから気づいたのだが、カメラ穴は事務用のパンチャーで開ければよかったのだ。綺麗に正円が開いたことだろう。DIYラーとはいえ布を扱うのは不慣れである。

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ふむ。見た目は大差ない。
しかし実際貼ってみるとやはりSector5(偽)についてきた「ウルトラスエードバックプレート」はパンツにも劣る単なる布ですとしか言いようのないものだったことがわかる。厚さとクッション感こそそれなりにあって、布張りという役目は不足なく果たしてはいるものの、エクセーヌ、アルカンターラ、ウルトラスエードの、独特のなめらかな手触りと質感には及ぶべくもない。

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なんともしっかりと手に収まるような手触り。おおこれぞアルカンターラ。一応なんだかんだでエクセーヌ張りのソファなどの上でヨダレ垂らして寝腐っている僕の感性は確かだ。この手触り、エクセーヌ系高級人工スエード以外にあり得ない出来である。

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いわゆる高級スエードに指を這わせると跡が残って文字が書け、逆なですると消える「フィンガーマーク効果」もきちんと出る。実用上は出なくていいだろと思うのだが、これは高級スエードの証らしい。

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iPhoneに布を貼る。この一見ミスマッチに思える組み合わせ、なかなか悪くない。
保護性能はもちろんのこと、滑りにくく触感が優しく、寒空の下で手づかみにするときにも暖かい。高級なアルカンターラ(敢えてこういう)ならばアルミとの相性もよい。手軽に出来るDIYなので、割とお勧めしたい仕上がりとなった。
注意点は高性能な布きりバサミが必須と言うこと。世界のドライバーのお尻を支える耐久力は伊達ではない。正しくまっすぐに裁断するためにも布用のまともなハサミは用意しておきたい。

というわけでiPhone5 with アルカンターラのDIYでした。




が、話はここで終わりではない。

前述どおり購入したのは115cm x 100cmのエクセーヌ生地である。それを123.8 mmx 58.6mmの面積を持つiPhone5にあわせて裁断し貼り付けた。生地の耳を考えると切り取り面はもう少し大きいが、それでも数センチに満たない。となるとどういう結果になるか。

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こうなる。
・・・のこりどうしよう。


本来ならばクルマの内装として貼り付けてしまうのが正しきアルカンターラ生地のDIY用途だろう。しかし愛しの307CCに貼り付ける気にもあまりならない。
手近な「手足の触れるところ」マウスやらクッションやらに貼るのもよいが、ここはいっそこのまま使おう。この写真のまま使おうと言うのだ。

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こうなった。

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エクセーヌ張りの天板のデスク、と言うのはあまり聞かないが、実際イスやソファには使うしダッシュボードにも使う。「というわけで実際にやってみ」たところ、こうして予想以上にサマになった。

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手触りがやさしい。キーボードなども打ちやすい。そして見た目も格好よい。
汚れた時のことを考えると少々ビクビクものであり、だからこそ製品にはこういうのがないのだと思われるが、拭き取ったり手入れしやすいのもエクセーヌの特徴。それに製品のシートやソファと違うDIYの強みで、本当に汚れたらべりべりと引き剥がして捨てるなり洗うなりいくらでも方法はある。

やったのは単に気持ち大きめに四角く切って両面テープで要所要所を止めたのみだ。お手軽で効果の高いDIYだといえよう。


もちろん普通にクルマに貼っても良いし、手の触れるところなら何に貼っても「ちょっとサマになる」素敵素材である。色の選択肢もあるし、クルマ好きや、てざわりフェチ以外のDIYラーの方々にも是非におすすめしたい。


東レ エクセーヌ(黒)[N-ECS-BLACK]【アウトレット】東レ エクセーヌ(黒)[N-ECS-BLACK]【アウトレット】
販売元:布百選 高級スエードシリーズ

販売元:Amazon.co.jp




ところで机に貼ってもまだ余るんですがそれは。
なおエクセーヌにミシンを通すには業務用を用いるか針や糸などを工夫した上で高い練度が求められる模様。扱いにくいが、何らかの活路を見出したい。
次はもうケースに張ってエクセーヌケース自作するか。