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ごめんねプロガード…でも…たまにはいいじゃない私だってどうたらこうたら…

というわけでUSGのITG、「Impossible Tempered Glass」 for iPhone5です。
おおむねSGPのGLAS.Tが覇権を握る「保護ガラス」業界の比較的新星。

タイトルの※については後述。あるいはジャンプ。

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ガラスでガラスを保護する!そもそもからしていささか神経質な世界の産物である保護フィルム業界の、辿り着くべき最後の境地といったところ。まったくもって狂気の沙汰だという他無い。ただ考えてみればほとんどの保護フィルムはiPhoneに用いられているゴリラガラスパネルよりも遥かに弱く耐久性がない。それを傷ついては張替えを繰り返すのだからこれも相当変といえば変。なればフィルムをもうちょっと強い素材で作ってみた、とやったら偶然ガラスにたどり着いても不自然ではないかもしれない。無茶な。


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ガラス本体。極薄0.4mmとは言うものの、保護フィルムに比べればあからさまに分厚く硬く威圧的である。

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この厚み!精巧なガラス製品を見るとwktkするあの感覚である。あ、そういうフェチをお持ちでないかたはスルーして結構。

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ガラス特有の、青緑がかった屈折光がなかなかフェチ心をそそる。言うまでもなく表面は完全に無色透明で、ガラス自体に色が付いているわけではない。

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毎度毎度わかりにくいシール類。1番の面が表面つまり指に触れる面、2番の面が裏面すなわちiPhoneに貼る面。
貼ってから保護シールを剥がしたい向きはどうすればよいのだ。こういうところは図で表してほしいものだ。特にこの保護ガラス製品というものはフィルムと違って貼り直しが効かない。貼る際は注意に注意を重ねてほしい。
このわたくしの説明も鵜呑みにせず、説明書の英文を翻訳し、他のレビュー、説明を熟考の上納得確信してから貼る作業に入っていただきたい。

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付属品
ボタンシールとゴミ取りシール、例によってクリーニングクロス。
このボタンシールは保護ガラス界では定番かつ必須アイテムである。ガラスの厚みでホームボタンが押しにくくなってしまうため、ボタンシールによって盛り上がらせる。また、貼り直しが許されない保護ガラスでは、位置決めをする際のヘルパーとしての役割も果たす。



さて「貼る時は全裸」をモットーに保護フィルム各種をレビューしてきたが、今回は外気温マイナス10度の日の風呂場という過酷さも相まって、非常に熾烈な戦いとなった。貼り直しが効かない一発勝負の緊張感がそれを後押しする。
ただ、ガラス自体は角を持っても曲がったりせず、歪むこともない上に側面を持って保持することが可能であり更には前述通りホームボタンシールのサポートもあることから位置決めは非常にやりやすい。
というか、貼り付け難度が著しく高いと言われている保護ガラスを初めて試したけど、今までの保護フィルム内で一番貼りやすく思えた。貼ったあとの馴染みや気泡の少なさも保護フィルムの比ではないため、気持ちよく貼ることが出きる。
懸念すべきは「ホコリ」と「やり直しナシ」の二点だけだが、全裸風呂場で前者はクリアできるし、そもそもわたくしは貼り直す必要が生じる時点で負け、とてつもないズレが生じた際の苦渋の緊急避難手段であると思っているので、どだいこの製品にさほどの気負いは存在しなかったのだった。

唯一、折り曲げると即座に割れるおそれがあるため、貼るまでの取り扱いにだけは注意すべき。それさえ気をつけて、ゴミ、ホコリ取りを徹底させればそう高難易度でもないと思う。

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はれました。

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ホームボタンシールが必要というのはこういうこと。へっこんで押しにくくなったのをシールが華麗にサポート。
せっかくなので近々SGPのアルミシールもかっておきたい。

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厚みによってやはり出っ張る。タイトなバンパーケースなどでは注意が必要。Hybrid EXやSector5(偽)などは大丈夫だった。ガラス面保護のため出っ張っているケースに対して影響が顕著なのは皮肉。

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Sector5(偽)では干渉はしないものの、貼ったUSGだけが浮き出ているためSector5(偽)による保護効果は無さそう。かといって液晶面まで覆うタイプの金属ケースをつけたら保護ガラスが割れたという事例もあるそうなのでしかたがないかもしれない。

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表面には防汚加工も施されている。ARSHなどの汚れるけどすぐ落ちるタイプとは逆に、汚れがつきにくいタイプ。AR加工などは施されていないので反射が眩しいこともある。

貼って実際に弄った感想としては…ああこれは魅惑的だ。ひじょうに魅惑的。うっとりするくらい。
今まではいかによくできた保護フィルムであろうと、指に触れるのはガラスでなく「ビニール」だった。その指に伝わる温度や表面処理などなど、いかなるフィルムであろうと「ガラス」とはやはり隔たりがあったことを実感せざるを得ない。プロガードやオーバーレイなども決して表面の処理に不満があるわけではないのだけど、「ガラスそのもの」感が直に肌に伝わる威力は代えがたい魅力がある。素材フェティシズムの心をえぐる破壊力だ。
また透明度の高さも実感せずにはいられない。保護フィルム業界がアレだけの透明度を確保するのはいかなる苦労があったことかと察するが、それでもガラスの透明度たるやもう。
透明度だけでなく本体の見た目もいい。保護フィルムは早々に微細なスクラッチ傷がつくものだが、その微細なスクラッチやよごれそのものの具合からして、やはり次元が違うと言わざるをえない。うまく表現できないが、ビニールについた傷とガラスに付いた傷ではやはり違って見えるものだ。

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ガラス感あふれる緑の屈折光だけでなく、端部の断面のシャープさ、それによるスパっと断ち落とされた反射光。

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反射像にひずみがないフラットな面の美。おおガラス!びばガラス!素材フェチの俺がこんなものの魅力に耐えられるはずがない。

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難点としては前述通り厚み。ケースの問題もあるし、タッチパネルの感応性が多少落ちることが確認できる。例えば布ごし(タッチパネル手袋などではなく普通の綿)でタッチパネルを触った時、普通の保護フィルムではなんとか反応するものがUSGごしでは全く反応しなくなったりした。
指で触る場合は感度が落ちるという感触は全くといっていいほど無い。ほんの触れるか触れないかのギリギリレベルでも違いを見出すことは難しかった。多くのレビューで感度に対して触れられていないのは、あまりに普通に反応するため書いていないものだと思われる。ただ、人体では問題なくてもタッチペンやスマートフォン手袋などでは影響が出るかもしれない。
また予想されるのはショックに対する耐久性の低さか。ガラスなので傷がつきにくい代わりに、叩いたり曲げたりしたら当然割れる。さすがにバラバラに飛散して鋭利な破片を撒き散らし二次被害をもたらすほどのおバカなガラスは使ってないと思うが、保護フィルムよりは気を使わなければならないだろう。まあガラスの時点でわかってたけど保護のための製品で保護に気を使うという本末転倒。いっそUSGの上からプロガード貼るかと本質を見失うベタネタ。

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以上の点で、USG ITGに対する評価は、最高だと結論した。
ごめんねプロガードちゃんわたしよごされちゃったこんなのがまんできるわけないよぉうと、みさくらなんこつなセリフを吐きながら全力で保護ガラスに宗旨変え洗脳が完了してしまった。なんというダメ人間か。

冷静に実用として考えると、ほとんどの場合高品質な保護フィルムのほうが利点がある。何度も言うように定期的に張替えを前提とするならARSHの表面処理は特筆モノだし、ケースに留意することもない。ガラスであるため傷には強いが、当然落下衝撃などでは粉々に粉砕するだろう。
そもそも論で言うならそんなにガラスがうっとりするほど好きならば何も貼らずに使えばよいのだ。本体ガラスにも防汚加工は施されているし、耐久性はゴリラガラスである本体のほうが数段上だ。はたしてこの硝子板に3000円出す価値が有るのか?よく考えた上で買うことをおすすめしたい。

端的に言えばこれはガラスの上にガラスを重ねること自体すらもうっとりするような、ガラスと聞けば指と唇をはいずらせて冷たさと滑らかさに陶酔するような、きしょくのわるい素材フェチ達のためのものだ。俺のことだ。普通は保護フィルムあるいは裸で十分。3,000円も出せば安いアルミケースだって買えようというもの。普通の人を自認するなら、これを買う価値はあまりないといっていい。
ただiPhoneを好んで買う人間の中に俺のようなはそういう人間が一定数居ることは事実。われこそは一定数だという向きはともにこの保護ガラスに囚われようではないか。金属・木材・カーボンなど素材フェティシズムなケースも忘れずに。



ところで。

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タイトルで※がつけられた「硬度 9H」に触れない訳にはいかないだろう。この9Hとはどういうことなのか。
端的に言うとこの場合の硬度とは「ひっかき硬度」のこと。物体同士を擦り合わせた際に引っかき傷がつくかどうかの指標である。「9H」とはその硬度の中でも最高硬度を誇る数値であり、ひっかき耐性が強いのだ!

と嘘偽りなく述べたが、ミもフタもないことを言うとこの説明、嘘はついてないけど大嘘です。
まず、硬度は硬度でも「鉛筆硬度」です。「モース硬度」ではありません。

鉛筆硬度、それはJIS K5600にて定義される「塗装塗膜の耐久性」に用いる、「当該硬度の鉛筆で引っ掻いて傷がつくかどうか」という指標のこと。その9Hということは、すなわち9Hの鉛筆で引っ掻いても傷がつかないことを示す。
9Hの鉛筆、つまり今一般的に存在する最高硬度の鉛筆で引っ掻いても傷がつかないから9H。基本的にこれ以上は存在しない。(一応10Hの鉛筆も最近発売されているが)

えーとね、まずガラス「鉛筆で傷がつくかどうか」で評価すること自体絶対に間違っているでしょう?9Hの鉛筆がどれだけの硬さかは知らないが、ガラスを傷つけられる鉛筆ってそれ一般的には工具だよね?
いくら「鉛筆硬度」が「手で引っ掻いても認められる」レベルのおそろしくルーズな指標だという事実を鑑みても、上記の通り本来は「塗膜の耐性」に対する指標であって、ここまで硬い物質の評価に対しては本来用いないはずだ。

本来物質や鉱物同士の硬さを測る場合、一般的なのは「モース硬度」のはずだと思う。これはよく知られた、ダイヤモンドを頂点の10とする相対指標である。モース硬度上で表する場合、鉛筆硬度9Hはモース硬度4(以上)に相当するらしい。4というのは蛍石の硬さだ。石膏や方解石などに傷を付けられる。わかんねえよ。
一般的なガラスは硬度5。ナイフ(硬度5.5程度)で傷を付けられるかどうかのギリギリに位置し、それほど傷つきにくい硬さではない。だが、つまりごく普通のガラスであっても、敢えて鉛筆硬度を採用すれば最高の9Hより硬いため、9Hの最高硬度だと言えてしまうわけだ。これが「物は言いよう」という大人の魔法である。汚い。

ちなみに更に汚いことには、モース硬度で言って「硬度9」と言えばコランダム、すなわちサファイアやルビーの硬さであり、ダイヤ以外では傷が付けられないとても高い硬度なのだが、超高級ガラスの代表として高級時計に使われるサファイアガラスというものがありこれがまさに硬度9。つまりそこら辺との勘違いも狙っているとしか思えない。

まあこの「硬度9H商法」はどうやら結構いろいろなところで存在するようだ。保護コート剤とか、おおよそ達成できるわけのないもので9Hを謳ったりとか。もうちょっと確かな指標はないのかと思うが、この固いもの同士でひっかくという行為自体あいまいで、絶対指標が確立できないものであるらしい。

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というわけで、蛍石と石英、ルビーイン・ゾイサイトの灰簾石部分を用いて端の部分をちょっとだけ引っ掻いて見ることにする。何でこんなものがあるのかという部分は中二病の至という一言で見逃していただきたい。硬度5や6の石がもっと豊富にあるべきなのだがコランダムとジルコニアとダイヤ原石などの高硬度軍団ばかりムダに品ぞろえが良いぼくのケースの中身ではしかたない。

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とりあえずカギや蛍石でひっかくが傷はつかない。普通のガラス(5)程度はクリアしているということだ。

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灰簾石(6.5)ではどうだろうか。ちなみにゴリラガラスは6.8とのことである。ルビー部分をあててしまうと当然硬度9なので慎重に。

がりっとな。

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傷ついた。いや見えにくいけど傷ついてるんですってば。

というわけでゴリラガラスやクリスタルガラスよりも低い、良くあるふつーのガラス程度ということか。

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ビジュアル的に石英(硬度7)をあてがってみるが、もうやる必要はないので実際にはやらない。買ったばかりのモンに傷をつける僕の身にもなってください!


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というわけで何のことはない普通の硬さのガラス(5~6)程度と推測される結果でした。このクッソいいかげんな実験結果の責任については負いかねます。
言うまでもなく保護フィルムで考えれば9Hすなわち硬度4でも結構な硬さなのだけど、ガラスとしては普通の硬さ。誇大広告とまでは言えないが、もと鉱物ファンとしては見逃せない点であった。

SGPのGLAS.Tなどもおそらくは変わらない硬度だと思われるけど、まあここまでぐだぐだやったところでさしたる意味は無い。なぜなら一般的な生活の中で、硬度7のクリスタルガラスどころか、硬度9のサファイアガラスですら傷つく場合は往々にしてある。ヤスリや人工ダイヤの微細な塵など、言ってみれば一般的な生活の中ではありふれたものだからだ。
またこれらはあくまでひっかき硬度。押しこみ圧力に対する硬さを示すビッカース硬度はまた違った話で、面につく傷であればこちらのほうが考慮しなければならない場合も多いだろう。
さらに言えばそれらがトンデモなく固い場合でも、ダイアモンドが叩けば割れるように靭性剛性さまざまな「強さ」がこの世には存在する。砕けないダイヤモンドは変な髪型の高校生が持つスタンド能力だけである。
ひっかき硬度一つでうだうだ言っても仕方あるまい。現実にUSGは相当に硬い。これ以上の詮索は野暮というものだ。ただ9Hとかいう表現だけはやめて欲しいけども。


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SGPの後追いをし、端部が「ラウンド」しているタイプもあります。



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こちら元祖?とされるGLAS.T
両者の違いはヨソで色々語られているので参考に。