満を持してソニーからバランスドアーマチュア式イヤホンが発売されたと聞いて飛んできました。モノが。
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とは言え買う予定はなかったのですが、XBA-1があまりの内容(値段・コスパ)と噂を聞きつけて、ちょうどiPhone4Sで使用中のApple In-ear Headphones with Remote and Mic(長い名前なので以下純正カナルとかそういう表記)も使い古しになってきたので新たな刺激を求めて買ってみることにする。
あけまして一発目レビューですね。
まずバランスドアーマチュアって何。バランスドプーロフェッショナルもあるの。ねーよ。
これはイヤホンの中の人(ドライバ)のタイプです。内部機構など詳しくはググればよろしい。
結局ガンガンモーター(コイル)回してズンズン振動板ぶっ叩いてグイグイ音出すという基本原理は同じですが、コイルごとギシギシするか振動板だけアンアンするかという違い、てところかしら。

アップル製バランスド・アーマチェア式イヤフォンを試す (1/2)
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0901/19/news095.html

わかりやすい図解。
酷い説明は以上。

このタイプはイヤホン業界ではハイエンド機に使われる事が多く、ソニーもこの分野に参入したぜということです。
一気に4タイプ(x2)ものバリエーションで登場したXBAシリーズの、再廉価モデルのリモコン付き、というチョイスでやってきましたXBA-1IP。

バリエーションについては、XBA-1がドライバ1個、XBA-2が2個…みたいな非常にわかりやすい構成です。さらにIPが付くとiPhone用リモコンがつくということ。
バランスドアーマチュアはドライバ一個の出せる帯域が狭めなので、増やせば増やすほど高級機で音が良い、とおおむね言えます。おおむね。UE 18Proとかいう6個もドライバ積んだじゅうまんえんのオーダーメイド機もあります。
もちろんおおむねなので増やせば良いってもんでもなく出来次第になるわけですが、こう大元の個数を増やせば良いという考え方は最近何かよく聞くところであり、ドライバ丸ごと複数詰んでみたり、1ドライバの中に2ドライバだったりしますが今後はきっと、1ドライバ内で仮想的に2つのドライバを作って音を出したり、2ドライバかと思ったら大部分を共有していたりするようになるのでしょうか。ならんだろうな。

とりあえずこのXBA-1IP、最廉価モデルXBA-1SLにiPhone用リモコンマイクがついています。言うまでもなく4極端子に3つボタンのアレ。SONYがiPodシリーズ用モデルとか往年のファンは胸が熱くなる、あるいは腸が煮えくり返るところ。とはいえ最近のSONYは日本でも割と精力的にiPod聴きだしてくれてるのが嬉しいですね。

野村ケンジのぶらんにゅ~AV Review:ソニー入魂のバランスド・アーマチュア型、「XBA-1IP」を試す
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1110/21/news124.html

レビューなど。まあiPhoneリモコンのついていない「SL」のレビューでも音質評価は変わらないはずです。
ところで

> この「XBA」シリーズは、その名からも分かるとおり、迫力の重低音が魅力となっている「XB」シリーズのアドバンスモデルに位置づけされている製品だ。

とありますが、どう考えてもX+Balanced Armatureにしか思えないんですが。ていうか公式のビデオでも「Experience Balanced Armature」って大書してあるんですが。だいたいBAヘッドホンが重低音ヘッドホンのアドバンスモデルだったらどうかんがえてもおかしいでしょう。
http://www.sony.jp/headphone/lineup/balanced_armature.html


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開け


付属品

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謎のイヤーチップてんこ盛り。
通常の大中小+極小?チップと、スポンジ入りでにくあつな大中小。ついでにイヤホンをぐるぐる巻きにする例のアレと、服につけて保持できるクリップ。あとそれらを入れる巾着袋が付属。

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普通のゴムと、スポンジ。全部スポンジにするわけには行かなかったのかな。


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筐体。
オーディオの定石として赤いほうが右。点状のでっぱりが付いている方が左。きっちり踏襲しておりすぐに左右を判別できますね。

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ハウジングは制振ABS樹脂で、内部の液晶ポリマーを覆っているとのこと。廉価モデルなので金属はないようです。ノイズブロック構造とのことで、音漏れは最小限。空気穴なども無いので耳に挿せば耳が痛くなるほどの音量でも音漏れは無しといえます。

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微妙に金色のマークがひとつ。XBA-1は一個ですがXBA-2は二個に。つまりここを見れば一目でモデルがわかる!だから何だ!

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チップは割と簡単に着脱可。


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IPの特権、iPhoneリモコン。ボタンの感触などは取り立てて悪くも良くもないです。ちょっとボタン同士の位置が寄ってるかな。


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裏にはマイク

例によって+、-、真ん中ボタン。まんまるボタンはおひさまボタン。
・ 停止/再生(長押しでSiri/音声コントロール)
: 次曲(長押しで早送り)
∴ 頭出し/前の曲(長押しで巻き戻し)
ていうかもうこれイヤホンリモコン界の基本動作でいいんじゃないのかね。利便性としては最適じゃないけど最小ボタン数だし、なによりデファクトスタンダードなのは間違いないわけで。

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マイクもリモコンも普通に動作。

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イヤホンプラグ部は好みの別れるL字タイプ。負荷がかかるかどうかとか、ケースに入るかどうかなどいろいろ物議を醸します。
リモコンのないXBA-1SLは真っ直ぐなプラグ形状のようなので、ソニー的にはなにか思う所があるのでしょうか。

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とはいえひと通り試したところによると、VaporやVapor Pro、Cleave、Bladeでも問題なく使用可能でした。何がすごいってこのケース4種全部偽物ってのがもう…。まあ形状は同じだし余裕を持って刺さるくらいなので、ケースについては問題なしと言っていいはず。

一応書いておくと4極イヤホンはすべてiPhone以外のプレーヤーでも普通に音は出ますのでご安心を。リモコンが使えないだけ。

ちなみにiPhoneシリーズは、4極イヤホンの場合イヤホンを個体(機種?)を識別して音量を自動的に変更する、というか具体的に言うとそのイヤホンで前回設定した音量を記憶し、接続と同時に反映するという何気に壮絶な機能が付いていることはあまり知られていません。
これは別に前回設定限りとかでなくて恒久的に保持するもののようです
2極のイヤホンの場合も一応記憶するようですが「2極用の設定」ということで保持し、機種識別まではしない感じ。
XBA-1IPももちろんこの機能で音量記憶できます。

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ケーブルは微妙に平型になってる感じ。MonsterCableのBeatAudioみたいな超きしめんケーブルではなく、「そういや平型だね」くらいのもの。絡みにくいかといえばまあ多少は絡みにくいかなー程度で、Apple純正などに使われる絡みにくいエラストマーケーブルには遠く及ばず。

さてバランスドアーマチュアイヤホンというやつ、とくにシングルのフルレンジドライバ機となると一般的に言われる所では低音が弱いという評価が多いのですが、その実、特性は概ね中域を頂点としたきれいな山を描くドライバが多いわけで、世の中いかに低音強けりゃどうにかなるだろ主義がまかり通ってるかの証左でもあったりします。個人的には低音強めってのがかなり嫌いで、さらにバランスドアーマチュアの透明感が大好きなBA信者なわたくし、決してIE8なぞ買うものかと心に決めつつ10 proなんかを狙って日夜貯金に励んでいることは御存知の通り。知らんわ。

そんなBA信者が聞いた音の評価としては、じつにグッド。BAらしい、肉感的な中域とおしとやかな低音。比較的きらびやかな高音かつ解像度は高いという、高級イヤホンっぽい音がビンビンにしてくるといった感じです。特にボーカルが非常によろしい。
最近のイヤホンにありがちな「圧縮音源前提」な音作りではあるものの、聞く側だとて圧縮音源が前提なので問題なし。
高音はちょっと癖っぽいかなという気はするけど、まだエージングも終わらずしゃりしゃりしてるのでしばらく聴きこんでみないことには細かいところまではなんとも。

まあどこまでいってもエントリークラスのシングル機なのはたしかで、やっぱり低音は上品だけど物足りないのは間違いなし。そこらへんは高級機のXBA-2以降に任せましょう。
と言いたいところですが正直試聴した限りでは、XBA-2以降はドライバダダ載せしました的な雰囲気が拭えない感。特にXBA-4は4機のドライバそれぞれがそれぞれ良いだけ好き放題に鳴っているような勢い。いやもちろんそれはそれでとんでもねえ実力だし超絶魅力的なんだけど、常用するかと言われるとなあ。結局フルレンジ一発勝負のXBA-1が一番素直でとっつきやすいイヤホンに仕上がってる気がします。なんというかフラットだしまんべんなく使える気がするし、なにより値段が手頃。

そう値段が手頃。ちょう手頃。Erymotic ReserchのER6などでも6980円するご時世、リモコンなければ5000円台でBAとか言われるとものすごく購入欲をそそる。一万円付近までは出せないが2000円のきらきらしたファッションイヤホンでは嫌気がさす、とりあえずちょっとだけ良いイヤホン欲しいという場合これを買うしか無いくらいの出来かも。学生さんとか、プレゼントにもいいかもね。
ただこのあたりのイヤホン買う層だと「低音が足りない」と言うに決まってる気もする。世間の流行りに迎合しない、悪く言えば中二病の子にはおすすめしたい。もっと言うならもうウォークマンの中堅以上の機種は全部このイヤホン付属させれば良いとすら思う。

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さてApple純正とちょっと比べてみましょう。純正カナルはデュアルドライバだけど、今や同価格帯といっていいくらいなのでいい勝負になるはず。

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小ネタ。純正カナルはリモコンが右ケーブルに付いているが、XBA-1は左についてる。ソニー的に何の思惑があったのかしらないが、無駄に迷うから統一してほしい。

聴き比べた感じでは、XBA-1のほうが明るく元気で伸びが良い感じ。純正カナルは伸びは薄いがおちついた感じ。
悪く言うとXBAのがドンシャリ傾向で、純正カナルはスカスカとも言える。
ただ純正カナルはもはや数年来の付き合いになる枯れまくりイヤホンなのでこういう評価になるのかもしれない。どちらにしろ両方BAらしい透明感のある良いイヤホンと思う。
前述のとおりケーブルはエラストマーの純正カナルのほうが絡みづらくて良いです。見た目もiPhoneに合うのは純正カナル。ただこれつけてると完全に「iPhoneの付属イヤホンそのまま」と見分けがつかず、いい加減電車の中にあふれる白イヤホン軍団に紛れるのも嫌という人もいるので見た目はトントンといったところ。

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とここまで書いて気づいたが、普段の自分は純正カナルにはSHUREのフォームイヤパッドを無理やり装着して常用しているのだった。これをつけると音はちょっと肉厚になる。なによりタッチノイズが低減できる。
XBA-1にも付けたいところだが、どうにも簡単には装着できそうにない。ちょっとはめて聞いてみた限りではだいぶよさそうなんだけどね。


さてXBA-1IPかけあしレビュー。
率直に言ってコスパ最強だろうと思う。BAらしい魅力にあふれたSONY意欲作。今後のBAイヤホンの展開も楽しみになってくる逸品です。
ただ同クラスのBAイヤホンや、純正カナルを持っている人が買い換える価値としては微妙なところ。それ以下のイヤホンしか持ってないという人はすぐに検討すべき。
もうちょっと上を狙いたい人は2とか3とか4とか行ってもソニーな世界観で素敵だとは思うけど、なんにせよXBA-1から始めてもいいよね。手堅いイヤホンです。

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個人的には純正カナルの後釜には収まったけど、やはりもう少し上を狙っても良かったとは思った。やっぱり10 pro買うべきなんだろうか。エコパッケージでいいから。


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上がふつう。下がリモコン。


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ねらいはここら。こういうちょっと安い奴って偽物とか言われてたり言われてなかったりするけどどうなんですかね。